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【配信者必見!】高画質な生配信ノススメ【OBS設定】

by
輝源氏@しょうねん♪
特イベ
特イベ
輝源氏@しょうねん♪
皆さん、こんにちは!
輝源氏@しょうねん♪です。
先週、ようやく帝王に昇格したので、たまには有益な記事を書こうと思った次第でありますが、
如何せんゲームの白兵スキル等についてはほぼほぼ語る余地がない(こちらの記事、蘊蓄・戦略以下参照)ので、
今回は最近全国各地で盛り上がりつつある三国志大戦生配信についての記事をば。
特に「画質」に焦点を絞って高画質で生配信をやる設定必要な上り回線速度及び必要なPCのスペックなどをご紹介します。
以前書いた生配信ノススメ(基礎編)生配信のススメ(応用編)【徹底検証】低予算で生配信可能な自作PCを組んでみた!【コスパ重視】
【簡単自作】手のひらサイズの配信用自作PCを組んでみた【超省スペース】及び配信トラブル対処マニュアル(備忘録)も参考にして頂けると幸いです。




突然ですが、皆さんに問題です!
以下の2つの動画を比較して、どちらが高画質でしょうか?
※比較動画①につき、チャンネル所有者のゆぅにゃん君主に許可を得て紹介させて頂いております。


【比較動画①】
解像度:1920×1080
フレームレート:60FPS





【比較動画②】
解像度:1920×1080
フレームレート:30FPS





どちらも解像度:1920×1080いわゆるフルHD(YouTube視聴時画面右下⚙設定から解像度変更可能)であるため、
この数字だけ見ると一見、どちらも高画質であるように思われます。
さらに、比較動画①の方がフレームレート:60FPSであるためより滑らかヌルヌル動画であるようにも思えます。
しかし、実際再生して頂いたら分かるように、比較動画①ではブロックノイズが目立ち、全体的にぼやけてしまっている印象を受けます。
一方、比較動画②は大画面で再生してもゲームセンターで見る映像と遜色ないぐらいくっきり綺麗な映像で視聴できると思われます。
特に、スマホの最大画面再生時やデスクトップPCのモニター等で再生した場合に画質差が顕著に現れます。
解像度とは
フレームレートとは

では、何故比較動画①と②でこれだけの画質差があるのでしょうか?
その答えは、動画配信ソフトOBS内の出力設定ビットレートエンコードプリセットにあります。
ビットレートとは


比較動画①
ビットレート:3,000Kbps
エンコードプリセット:veryfast


比較動画②
ビットレート:14,000Kbps
エンコードプリセット:slow


ビットレート数が約4.6倍ほど違いますね!
比較動画①は解像度やフレームレートの設定対してビットレートが足りなさ過ぎることによってブロックノイズ等が発生し、低画質となってしまっています。
少し配信をかじったことのある方でしたら、比較動画①のビットレート3000Kbpsという数字を見たらそんなに悪くないのでは?と思われるかも知れません。
三国志大戦生配信黎明期ではOPENRECtvで配信がよく行われていましたが、
その配信サイトでは解像度720P(1280×720),ビットレート3000Kbpsが最高設定でした(3000Kbps以上の設定にするとOBSが切断される仕様でした)。
ちなみに、現在YouTubeでは推奨ビットレートはあってもビットレート制限自体はありません。
今でも、全国の三国志大戦の生配信を見ていると720P(1280×720)の解像度で配信されている店舗さんが多いですが、
そんなに荒い画質ではない印象の方も多いのではないでしょうか?

実は、画質を良くするには解像度やフレームレートに応じてビットレート数を変える必要があるのです。
「おっ、じゃあとりあえずビットレート上げればおk」と言いたいところですがそうは問屋が卸さない...
ただやみくもにビットレートやエンコードプリセットの設定を上げてしまうと、PCに負荷がかかり過ぎて処理落ちしたり、
処理が間に合っていても上り回線速度が足りずにカクカク配信になってしまったりと色々と制約があります。


そこでまず、ビットレートを決める基準となる計算式を伝授します。


ビットレート(Kbps) = BPP × 幅 × 高さ × フレームレート ÷ 1000


BPP は、エンコードされるイメージの品質を測る基準となります。
次の表は、高度、中度、あるいは低度な動きのビデオを、それぞれのビデオ品質 (最高~低) でエンコーディングする際の BPP 値を示しています。
動作 品質
  最高
高度 0.225 0.175 0.125 0.100
中度 0.200 0.150 0.100 0.075
低度 0.175 0.125 0.075 0.050
ここでは、各動作 (高度、中度、低度) を次のように定義しています。
- 高度: スポーツまたはミュージック ビデオ
- 中度: 映画
- 低度: ナレーター (ニュースなど)
最適なビデオ品質が得られるエンコーディング設定を選ぶ方法はありますか?からの引用

三国志大戦は動きが激しい場面(法具や計略カットイン演出)がちょくちょくあるので、BPP0.15以上を採用すると良いかと思われます。

では、実際に計算してみましょう!


【720P 30FPSの場合】
0.15×1280×720×30÷1000=4,147.2Kbps 約4,148Kbps必要

【720P 60FPSの場合】
0.15×1280×720×60÷1000=8,294.4Kbps 約8,295Kbps必要

【1080P 30FPSの場合】
0.15×1920×1080×30÷1000=9,331.2Kbps 約9,332Kbps必要

【1080P 60FPSの場合】
0.15×1920×1080×60÷1000=18,662.4Kbps 約18,663Kbps必要

それなりに良い画質で配信するにはこれだけのビットレートが必要となります。
720P 30FPSでは4,148KbpsでBPP0.15なので、
上述の720P 30FPSで3000Kbpsという数字は逆算するとBPP0.11相当ということになり中動作中品質動画であったことを意味します。
なるほど、だから画質低下がそれほど感じなかったというわけですな。
ちなみに、比較動画②ではBPP0.225高度動作最高品質で計算して近似値を設定しています。



【必要なインターネットの上り回線速度について】

比較動画②(フルHD)のビットレート設定の場合、必要な上り回線速度は
14,000Kbps=14Mbps以上必要ということになります(※1,000Kbps=1Mbps)。
※音声の分も乗せる必要があるので、少し余裕を持って常に安定して上り回線速度16~20Mbps以上の速度が出ていることが望ましいです。

「うちは光回線だから大丈夫!ギガやでギガ!」そんな声が聞こえてきそうです。
本当に1Gbps=1000Mbpsだとしたら余裕ですよね。
残念ながら、ネット契約時に表示される最大通信速度でして、
「ベストエフォート方式」という回線事業者が提示する最大数値です。
あくまで理論上の数値であって、常にこの速度での通信が保証されているわけではありません。
光回線の場合、実際の通信速度はその1割未満~6割程度と言われます。。
したがって、配信設定する前に必ずお店の上り回線速度をチェックする必要があります。
その速度に応じて解像度やビットレートの設定を見直してみて下さい。
※Google検索で「スピードテスト」と検索し一番上のインターネット速度テストを実行してお調べください(Googleのやつです)。
※時間帯等によっても回線速度が変わることがあるので何度か測定してみてください。



【エンコードプリセットについて】

居酒屋で「とりあえず、生で!」のノリでveryfast選んでいませんか?
ちなみに、僕は醸造酒よりも蒸留酒が好きなので開幕ハイボールやジントニックを頼みます(笑)
こんなこと言っておきながら、veryfastは割とコスパが良くて優秀なので迷ったらこれでいいです。
「どないやね~ん!!」って言われそうですが、ここから先はもう少し高画質低負荷低遅延な設定にしたい方向け。
slow単体での使用はPCの負荷が大きくなるので、下記X264と併せて使用することを強くオススメします。




【X264カスタムプリセットについて】



◆x264プリセットの詳細設定◆

■1■ aq-mode=2 aq-strength=1.10 bframes=0 colormatrix=smpte240m deblock=1,0 ipratio=1.25 mbtree=1 me=dia merange=4 min-keyint=6 partitions=none qcomp=0.55 qpstep=8 rc-lookahead=18 ref=3 scenecut=90 subme=3 trellis=1

■2■ aq-mode=2 aq-strength=1.10 bframes=0 colormatrix=smpte240m deblock=1,0 ipratio=1.25 mbtree=1 me=dia merange=4 min-keyint=12 partitions=none qcomp=0.55 qpstep=8 rc-lookahead=36 ref=3 scenecut=90 subme=3 trellis=1

■3■ aq-mode=2 aq-strength=1.10 bframes=1 colormatrix=smpte240m deblock=1,0 ipratio=1.25 mbtree=1 me=dia merange=4 min-keyint=6 partitions=none qcomp=0.65 qpstep=8 rc-lookahead=18 ref=3 scenecut=90 subme=3 trellis=1

■4■ aq-mode=2 aq-strength=1.10 bframes=1 colormatrix=smpte240m deblock=1,0 ipratio=1.25 mbtree=1 me=dia merange=4 min-keyint=12 partitions=none qcomp=0.65 qpstep=8 rc-lookahead=36 ref=3 scenecut=90 subme=3 trellis=1

┠より最適なライブ配信のエンコード設定╂x264┨から引用
X264カスタムプリセットとは

コチラの動画を作成してくださった方に感謝敬意を払いつつ、
動画内の説明に従って配信予定の環境に合ったX264カスタムプリセット等を設定してみましょう!




自作PCスペック:ASRock DeskMini A300,CPU Ryzen5 3400G,メモリ DDR4-3200 16GB,M.2 SSD 512GB





※このOBSの出力設定はしょうねん♪が関大前フタバボウルさんで自分の機材全部持ち込み配信させて頂く際の設定です。
各自のPCスペックや回線速度に合った設定を行って下さい。

・出力モードを詳細にする

・配信サービスのエンコーダ設定を適用するのチェックを外す

・1920×1080 60FPS BPP0.2で配信するためビットレートは24,884Kbps

特定バッファサイズを使用にチェックを入れ、設定したビットレートの2.5倍の数字を入れる

・キーフレーム間隔は

・CPU使用のプリセットはslow

・プロファイルはhigh、チューンはなし

・X264オプション(スペースで区切る)は上の動画の説明に従い60FPS用の■2■or■4■を使用
※30FPSの場合は■1■or■3■を使用



【画質に関係する諸設定】



1920×1080(フルHD)で配信する場合は基本解像度と出力解像度を画像のように設定

・ゲーム内の文字がくっきりするので縮小フィルタはランチョス(先鋭化のスケーリング、36のサンプル)がオススメ

・FPSは60(FPS30で行う場合は30に設定)





・プロセス優先度は通常以上

・色空間は601と709が選択できますが、HD解像度で配信する場合は709を選択
この数字を見て、601賃貸借!709不法行為!と反応してしまった方は残念ながら僕と同じスメルがしますねw

・色範囲は一部と全部が選択できますが、全部を選択



【必要なPCのスペックについて】

これまで紹介して来た設定はPCのスペックに応じて変更して頂く必要があります。
X264はCPUで行うソフトウェアエンコードなので、CPUのベンチマークに基づいてどの解像度の配信がどのCPUで可能かという一例を下記に紹介します。

三国志大戦の生配信可能かどうかは使用するビデオキャプチャの推奨環境によって異なります
(ELgato HD60 S使用の場合はIntel Core i5 第四世代4コア以上必要)。 
下記では、メモリ(RAM)8GB以上、MonsterX U3.0Rビデオキャプチャ の使用を前提に記載しています(最低動作目安ベンチマーク3732)。
詳しくは【徹底検証】低予算で生配信可能な自作PCを組んでみた!【コスパ重視】を参照

デスクトップPC CPUベンチマーク
ノートPC CPUベンチマーク


・1280×720 30FPS(必要ビットレート4,148Kbps)ベンチマーク:3732以上 

Intel Core i3-7100U(ノート用CPU)2C4T 2.4-2.4GHz)ベンチマーク:3908
Intel Core i3-3210(2C4T 3.2-3.2GHz)ベンチマーク:3924
Intel Core i3-3225(2C4T 3.3-3.3GHz)ベンチマーク:4291
Intel Core i7-6500U (ノート用CPU)2C4T 2.5-3.1GHz)ベンチマーク:4303
Intel Core i5-2400(4C4T 3.1-3.4GHz)ベンチマーク:5784


・1280×720 60FPS(必要ビットレート8,295Kbps
・1920×1080 30FPS(必要ビットレート9,332Kbps)ベンチマーク:6000以上目安
※ここはほぼ同じなのでまとめて記載します(個人的には720P60FPSで配信するぐらいなら1080P30FPSで配信した方が良いと思っています)。

Intel Core i5-3470(4C4T 3.2-3.6GHz)ベンチマーク:6554
AMD Ryzen 3 3200G(4C4T 3.6-4GHz)ベンチマーク:7928
Intel Core i3-8100(4C4T 3.6-3.6GHz)ベンチマーク:8056
Intel Core i3-9100(4C4T 3.6-4.2GHz)ベンチマーク:8986


・1920×1080 60FPS(必要ビットレート18,663Kbps)ベンチマーク:10000以上目安

AMD Ryzen 5 2400G(4C8T 3.6-3.9GHz)ベンチマーク:9329
AMD Ryzen 5 3400G(4C8T 3.7-4.2GHz)ベンチマーク:10194
Intel Core i5-8400(6C6T 2.8-4GHz)ベンチマーク:11688
Intel Core i7-8700K(6C12T 3.7-4.7GHz)ベンチマーク:15961
Intel Core i7-9700K(8C8T 3.6-4.9GHz)ベンチマーク:17169


現在生配信で使用しているPCのスペックを確認して、どの解像度で配信するのがベストであるかの目安にしてみて下さい!
※しょうねん♪が実際に配信したPCや相談を受けたPCに基づいて記載しています。
※ベンチマークの値はPassMarkによる値です。



【最後に】
 今回は、PCのスペックとお店の回線速度とを相談しながら、どこまで高画質にできるかについてまとめてみました。
全国の配信者さん及び配信機材設置店舗さんの生配信高画質化にこの記事が少しでもお役に立てると幸いです。
全国各地で新しい実況配信者チャンネルや実況配信可能店舗さんが増えることを心より応援しております!!
遂に大阪でも常設の実況配信可能店舗さんができましたね!
セガ難波アビオンさん、ハイテクランドセガ西中島さん、タイトーFステーション梅田さん本当にありがとうございます!

【宣伝】
 YouTubeで三国志大戦の生配信やってます!!
できるだけ高画質で三国志大戦のゲーム配信映像を楽しんでもらえるような設定を模索して配信しております!
良かったら、輝源氏@しょうねん♪のYouTubeチャンネルのチャンネル登録をよろしくお願い致しますねん♪
┗(^o^ )┓三ピャー!!



※ 本記事に掲載している文章及び内容に関して、その正確性及び有用性についてできる限り注意を払って作成をしておりますが、完全性、真実性、信頼性、正確性及び有用性等、如何なる保証をするものではありません。また、たとえ掲載内容に誤りがあった場合であっても、一切責任を負いません。
※本記事の情報の利用によって利用者等に何らかの直接的損害、間接的損害、偶発的損害、通常の損害、特別の損害あるいはその他の拡大損害が発生したとしても、かかる損害についてはいかなる責任も一切負いません。
※本記事内のレビューはあくまで個人の感想であり、効果には個人差や使用方法、環境等により左右される場合があります。
更新日時:2019/12/19 01:25
(作成日時:2019/11/28 17:05)
コメント( 2 )
TIL_DEUCCHA
TIL_DEUCCHA
2021年1月9日 22時42分

てぃすううう (。-ε-。)ノ
どもっ、皆さんでうっちゃ!
てぃるです。

エンコード設定の紹介、ありがとうございます _(._.)_
この記事をきっかけに自分も久々に頑張ろうと思い、現在使用している最新版を自分のTwitterでお知らせしました
今後も、よろしくお願いします

輝源氏@しょうねん♪
特イベ
特イベ
輝源氏@しょうねん♪
2021年1月10日 23時47分

てぃるさんへ
コメントありがとうございます(お返事が遅くなりすみません。)。
いつもお世話になっております。
最新版のエンコード設定を参考に三国志大戦のゲーム配信に活用させて頂こうと思います。
こちらこそ、今後ともよろしくお願い致します。

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