今回の架空の人物は、三国志を代表する女性になります。
【貂蝉】
モデルになったのは、
暴虐非道で有名な董卓の侍女。
後に架空の人物ながら、
中国四大美女の一人とされている。
正史『魏書』「呂布伝」によると、
呂布と董卓の侍女が密通しており、内心その発覚を恐れていたと記載されている。
192年、董卓は王允の企みを受け入れた呂布の手で殺害されるのだが、上記の記載だけでは呂布が殺害を決意するには乏しい。
つまり、正史だけの資料では殺害の真相は闇の中なのだ。
しかし『蜀書』「関羽伝」には、こんな男女の揉め事が有る。
それは、関羽が曹操の元にいた時、呂布の配下で秦宜禄(しんぎろく)の妻・杜夫人を娶りたいと曹操に願い出る。
当初は曹操もこれを許可したが、曹操は杜夫人が美人であると知ると、曹操は約束を破ってこれを自分の側室にしたという内容だ。
これを董卓と呂布の仲を引き裂く決定打と成り得るとして、三国志演義では董卓と呂布の仲を引き裂いた女性を王允の養女・貂蝉として設定。
王允からの企み「
美女連環の計」を受け入れた貂蝉は、董卓・呂布それぞれに好意を寄せて、互いを反目させようと試みる。
やがて董卓と呂布の仲違いが決定的になると、李儒は
「吾等は皆、婦人(貂蝉)の手に於いて死するのか」
と天を仰いで嘆く。
そして董卓殺害というミッションを完遂すると、その後の「
貂蝉の身の振り方」に対して、各々の作品が独自の視点で描いている。
三国志演義では、呂布に随行して198年の呂布処刑後、消息が途絶えている。
一方、横山光輝『三国志』では、董卓殺害の一報が貂蝉の元に届いた時点で自刃してしまう。
この時、僅か16歳という短い生涯・・・・
圧倒的な美貌はさることながら、
臨機応変に対応できた智謀に加え、ミッションを完遂した後に自刃する事により、
王允との約束を守り抜いた貞節。
この3つが貂蝉というキャラクターを更に引き出し、人気が不動となったのである。
以上となります。
次回も貂蝉と同じ立場の人物が登場します。
三国志の中でサスペンスドラマな感じで自分は好きなエピソードですな。
自分の中では貂蝉複数説とかあったりします。でないと一人で立ち回るには限界があるのではないかな。
実は双子だったとか、三つ子だったとか。架空の人物なのでいろんな設定を自分で想像する楽しさもありますな。
楊狐さん
やはり単独での行動には無理が有りそうですね。
だから、董卓の宮廷に入って幾人かの同調者を得たと言うのも有りそうです。