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今月の1冊 自己プロデュースにおける個人マルチメディア

by
楊狐
楊狐
読書勢です!(ホントに?)




変な家
この家、何かがおかしい。

著:雨穴

出版:飛鳥新社



これはある家の間取りである。

あなたはこの家の異常さが分かるだろうか。

おそらく、一見しただけでは、ごくありふれた民家に見えるだろう。
しかし、注意深くすみずみまで見ると、家中そこかしこに、奇妙な違和感が存在することに気づく。
その違和感が重なり、やがて一つの「事実」に結びつく。

それはあまりに恐ろしく、決して信じたくない事実である。



©雨穴
©飛鳥新社




自己プロデュースにおける個人マルチメディア
ということで雨穴(うけつ)さん変な家をご紹介します。
もともとYouTubeで独自の短編ドラマを作られている方で内容はホラー寄りのミステリ的な感じの作品が多いかな?
時折みられるブラックジョークというかユーモアも結構あったりします。
さて、今回の変な家ですが。
先にYouTubeでドラマを見ることをお勧めします。
というのもこの短編ドラマには続きがあった!という体で書籍化!
さらには画像の帯に書かれている通り、映画化2024年/春が確定
まさに個人マルチメディアという感じです。

面白いのが個人の映像作品から書籍化され、さらに再映像化への形へと昇華されるのが令和らしい気もしました。
ある種これまでにない新しいタイプのミステリかなと思いました。
というのも以前なら紙媒体を通して出版社から映像関係者へと、いろいろと政策委員会とか何やら。
大人の事情のあるメディアミックスがあったりしたのですが、個人発の作品がこういう形でメディアミックスされてゆく。
それもSNSでの自己プロデュース作品となるとますます個人の時代へと突入したのだなと実感が持てます。

肝心の作品ですが間取りミステリーという家の間取りからいろいろと考察していく感じの話となります。
著者である雨穴さん自身が主人公でオカルト専門のフリーライター。
その雨穴さんに知人から依頼が来たというところから話が始まります。
本当に自身が主人公の自己プロデュース作品ですな。
こういうミステリ物に多い相棒。バディテイストの相方、設計士の栗原さん。
設計士ですがホラーやミステリの愛好家でもあり、主に彼の悪意のない気持ち悪い考察が語られます(笑)
主にこの二人での電話での会話だけで進んでいくのですが…。

作品を見るとわかるのですが、まず雨穴さんのビジュアル。

全身黒いタイツで顔には粘土で作った白い仮面(?)を付けています。

は?



しかも声が高音なので一見するとホラーですが、一歩間違えるとギャグキャラにしか見えなかったりします。
一見に如かず。とにかく作品を見てくださいとしか言いようがないです。
独特の雰囲気というか空気が流れているので、この感覚が癖になる人は癖になります。
そのうえで続きが気になった方は書籍へ進んでください。
自分はハマったので書籍の方へと進みました。いや、結構買うかどうか迷ってもいたのですが…。
結局、購入しました。

ちなみに本文では

著者 ○○○○○○○○。
栗原 ○○○○。○○○○。


というように作品内にある電話での会話を文章で再現しております。
普通の小説と考えて購入するとちょっと戸惑うので、そのあたりも一考してから買うことをお勧めします。
間取りミステリーというだけあって書籍内も分かりやすく間取りが描かれております。

映画化に際して気になっているのが雨穴さんのビジュアル…。
実は本文中では電話だけでなく、現場に行ったり栗原さんにあったりと外に出ているのですが、
上記のとおり、ビジュアルのこと考えるとすごいシュールなんですよね(笑)
謎解きの場面でも、この格好なので。
雨穴さんを思い浮かべながら文章読むとかなりシュールな場面となります。
映画に際していろいろと設定を変えてくると思います。
特にビジュアルは変えていかないと、何の映画なのかわからないかもです。
映画見ても集中できないな(笑)

ということでお勧めの一冊でした。
以上です、編集長!!


再見
更新日時:2023/06/22 18:04
(作成日時:2023/06/22 17:57)
コメント( 6 )
6件のコメントを全て表示する
楊狐
楊狐
2023年6月23日 10時22分

古の幻獣さんコメントありがとうございます。
この作品だと間取りが重要なので読者にもわかりやすいように何度も間取りが図面で出てきます。
ドラマに沿った形式も映像重視なのかもしれないですな。あとは読者層を考えてわかりやすく解説している感があります。
お名前と作品は知っているものの、綾辻行人さんの作品は手に取ろうと思っていていつの間にか年月が過ぎてしまいました。
館シリーズ。読んでみますな。

古の幻獣
楊狐
楊狐
2023年6月23日 10時24分

炎頭の群れ(えんずのむれ)さんコメントありがとうございます。
雨穴さんのビジュアルが(笑)
本当に奇妙で一歩間違えるとギャグキャラというか変な人に見える。
あくまでもミステリーです。

炎頭の群れ(えんずのむれ)
楊狐
楊狐
2023年6月23日 10時27分

ぶりんこさんコメントありがとうございます。
自分も映画勢なのでどう映画化されるのかが楽しみです。
特に主人公の容姿とか、もろもろの設定をどう演出するのか期待しています。
アフターライフ見たのですな!
自分も終盤のシーンはうるっときました。この作品の子たちやオリジナルメンバーであと1作見てみたいですな。
マシュマロマンの扱い(笑) 今も昔もあんな感じか。

ぶりんこ
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