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『携帯ゲーム史三国志』の話・3

by
四天王FAL
特イベ
特イベ
四天王FAL
~前回のあらすじ~
 
たまごっちによる黄巾の乱を納めた後、漢は一時、復興の兆しを見せたが、そこからは蜀のネオジオポケット、続いて呉のワンダースワンが現れ、三国鼎立の始まりを見せた。
 
 
ゲームボーイカラーが発売されることで再び活性化した携帯ゲーム機市場に、対抗馬として乗り出したのは、当時アーケードゲームで快進撃を続けていたSNKだった。
 
この、SNKと言うメーカーを少し説明しよう。
元々、格闘ゲーム全盛期で台頭してきたイメージだが、何だかんだでインベーダーブームのすぐ後、1980年頃からアーケードゲームを作っていて、その頃の『木こりの与作』はカセットビジョン(ファミコンのライバル機)に移植されたり、
ファミコンにも、『ゴッドスレイヤー』や『里見八剣伝』などのRPGを出している。
 
時流に乗るのがうまいメーカーで、他社のヒットを見てはパクr…ゴホッゴホッ、インスパイアされたゲームを作ってはヒットさせていた。
 
インベーダーブームの後には、『宇宙戦艦ダイワ』と言う、どっかで聞いたようなゲームを出して怒られたり、
そのものでは『ランボー 怒りのアフガン』的なゲームを作っていて、やっぱり怒られそうなのでタイトルの『怒』の文字だけ残して発売したり、
カプコンのファイナルファイトがヒットしたのを見て、近いゲームをと作り始めたが、その後、スト2が大ヒットしたのを見て、急に対戦格闘に方向転換した『餓狼伝説』などが有名である。
(餓狼伝説は、ファイナルファイトのステージクリアのシーンである、メトロシティを制圧していく図をそのままサウスタウンにあてがったり、ボス戦のみを抽出して対戦格闘にしたため、1P2Pで同時プレイすると対戦ではなく協力プレイになる名残がある)
 
まあ、そんなこんなで大阪のメーカーらしく、商売のうまい企業ではあり、アーケードゲーム筐体を、駄菓子屋、レンタルビデオ店、ゲームショップ、スーパーの軒先などなど、様々な所にレンタル機器をおいて薄く広く営業したり、そのための筐体基板も、カートリッジ式で交換が容易で、かつ1台に4つのゲームまで組み込めるMVSシステムと言う基板を開発したりと事業展開がうまかった。
この、カートリッジ式の基板は、家庭用機で『ネオジオ』として販売され、ソフト1本が平均38000円近くするブルジョワ使用だが、アーケードゲームが遜色無く遊べると言う、当時では破格の仕様で、特ににマニアを中心に賑わせた。
 
そんなSNKは、当時のアーケードゲームでも、単純に『ザ・キングオブファイターズ(KOF)』のヒットだけではなく、
プリント倶楽部のヒットに倣い、自社では『NEOプリント』を開発販売、
クレーンゲームがヒットした際は『NEOクレーン』を出したりと、ブームにのっかかるだけではなく、
それらを先程の広く薄くの販売網に乗せ、よりバラエティを厚く盛っていったのである。
 
今現在、こう言う仕様のゲームレンタルが、ネットカフェや商業店舗の一角で、プライズゲーム等ではまだ見られるが、
それらの先駆けはSNKによるところが大きいのである。
 
では、話は戻って携帯ゲーム機市場に参入したSNKであったが、
基本的には衆寡敵せず、全く話題にならなかったと言うのが概ね一般論であるが、そこにどう言った施策があったのか?
そこを掘り下げて行きたい。
 
SNKが携帯ゲーム機市場に参入するのは、元々、家庭用ゲーム機としても、先程の『ネオジオ』、そのネオジオをソフトをCDromに廉価型にした『ネオジオCD』などを出している。
元々、アーケードゲームの完全移植が困難だったスーパーファミコン時代とは違い、セガサターン、プレイステーションなどの次世代では、移植も困難では無くなりつつあった為、何か別の展開を考えていたのだろう。
そこでまず、三顧の礼によってSNKの陣営に入った諸葛亮とも言えるメーカーが『サクノス』である。
 
このサクノス、元々はスクウェアの開発チームで、世間は次世代ハードの超美麗グラフィックに心を鷲づかみにされていた時代、まずSNKはこのサクノスと提携し、
プレイステーションでKOFで人気が出た超能力少女アテナを主人公にしたアドベンチャーゲーム『アテナ』、次に、スクウェアにも勝るほどのグラフィックで話題になったRPG『クーデルカ』を発売、
このサクノス、余談だが、SNK倒産後はアルゼから『シャドウハーツ』と言うRPGを出しているが、それもお薦めである。
 
そして、ネオジオポケットを立ち上げた際に、参入したメーカー、これは、ほとんどがアーケードゲームの開発メーカーであり、いわばライバル業者である。
セガ、タイトー、カプコン、ナムコ、コナミなどなど、反董卓連合軍の様な陣立てには、営業の努力が見て取れる。
 
この時、特にセガは、長年、自社ハードにしかソフトを出さなかったメーカーで、それがSNKのハードに提携すると言うのも凄い話だが、特に目玉とされたのが、
二大2D格闘ゲームメーカーとして、SNKのライバル会社にして、同じく大阪に本社を置くカプコンとの共同開発による格闘ゲームタイトル『SNKvsカプコン』の発表である。
言わば、長年のライバルが手を組む……、
アメリカとロシアが1つの国に!
巨人と阪神が1つのチームに!
ドラクエのエニックスとFFのスクウェアが合併……は、まあ、後に成ったが、
とにかくこれこそが時代に乗り、新たなムーブメントを作ろうと言うSNKの気概だった。
 
ポケモンやドラクエモンスターズで復権したゲームボーイは、それまでより更に『通信ケーブル』による協力プレイや対戦プレイが再注目されていた。
 
ここで、本格的な格闘ゲームを対戦でプレイできる携帯ゲーム機、と言うのがまず最初のコンセプトだったのである。
 
つづく
 
作成日時:2020/05/08 23:58
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コメント( 9 )
9件のコメントを全て表示する
四天王FAL
特イベ
特イベ
四天王FAL
2020年5月10日 14時10分

>ジェイムズ9さん
全てが移植された訳では無いですしね。
本体が定価48800円で、ソフトもつけると、原付買う位の額になるし、大人になった今でも厳しいです。
レンタルもSNKが提携して行ってたそうですよ。

楊狐
楊狐
2020年5月11日 17時43分

ネオジオと聞くとNEO-DIOを思い出しますな(ワールドヒーローズパーフェクト)
クーデルカ、シャドウハーツ……。
聞いたことのある懐かしいタイトルですな(思わず画像検索してしまったw)

四天王FAL
特イベ
特イベ
四天王FAL
2020年5月11日 20時26分

>楊狐さん
ワーヒーパーフェクトでは、ゼウスがネオディオに瞬殺されてましたね。
クーデルカは、開始すぐにFFXの主人公みたいなクーデルカがミニスカで城壁を登っていき、おパンツが見えるのが山場です。

楊狐
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