五月六日はUC于禁のスペックデーಠ_ಠ

家に帰ったらリビングに圧倒的不審者が倒れていた。

どれくらい不審者かというと2m位ありそうな長身の男が赤い漢服の上に紫色の鎧を着て更にその上に赤い外套を身に着けて、更に頭には両端に天秤の秤が付いたエキセントリックな帽子のような兜のようなものを被っているくらい不審者だ。

おまけにキンキラキンの大剣まで側に落ちている。顔は西洋人のような顔立ちで白い肌に水色の体毛である。

気絶しているようなのに眉間にシワが寄ってて形状記憶額のようだ。こわい。

などとくだらないことを考えて現実逃避しているがＳＡＮ値チェック入って正気度減少中である。

だって顔が絵のように整いすぎているのだ。

頬はややこけ眉間にシワは寄り髭も生えており目の周りはぐるっと黒いアイシャドーのようなもので戦化粧されているがそれも含めて外見が整いすぎている。

ＳＥＧＡのアーケードゲーム三国志大戦の于禁のコスプレをしている背丈2mの西洋人が強盗しにきたという説を捨てたくはないが、それは于禁というカードの使用率的に最初からない説である。

于禁というカードは圧倒的不遇で有名である。

二年前（2019年）から一ヶ月の間に于禁というカードをデッキ登録したというプレイヤーは50人を越えたことがない。

一戦対戦モードで使えば翌日には達人の称号が付く。

それくらい使われてない。

そもそも英語圏で三国志大戦4以降のシリーズは筐体がないのでプレイできない。

つまりこういうことだ、所謂夢小説とかでよくある話だが、このリビングで気絶してる圧倒的不審者美中年は異世界トリップしちゃった系（いわゆる逆トリップ）三国志大戦4のUC于禁である。

震える手で三国志大戦のデッキケースを上着のポケットから取り出し于禁のカードを抜き取る。

そしてそのイラストと倒れている人物を見比べる。完全に一致。





やがて于禁が小さく呻いて身動ぎして、目を開けた。

そしてこちらを視認して、数秒硬直して、一言。

「触手殿……？」

「いかにも、君主名触手だ」

けど、と最後までは言わせてもらえずに勢いの良いタックル。

鎧を着てる人間のタックル内蔵飛び出そう。さらにぎゅうぎゅうと抱き締めてくる。

于文則情緒不安定かな？

「厄介な疫病が蔓延している故、あまり会うことが叶わなかっただろう」

意訳：コロナでゲーセンに行けなかったから三国志大戦あんまりできてなかったじゃん！

なんだこの于禁現代事情に詳しいな？

なんとか于禁を引き剥がして、それでも護衛云々とか言ってぴったりついてくる于禁を隣に並べて夕ご飯を作って一緒に夕飯を食べた。

ハンバーグやらコーンポタージュやらを知っている三国時代の武将于禁、さすが三国志大戦の武将である。

三国志大戦は三国志ベースのゲームのはずなのに黄色いトカゲの武将がいたりブルマ応援団がいたりメガネが存在したりハロウィンだったりクリスマスだったりめちゃくちゃだからな……。

食後のデザートまで食べ終わってお風呂を洗って沸かしているうちに于禁は消えていた。

机の上に字体が現代のものとはどう見ても違うし達筆すぎて読めねえ書き置きが置いてあった。

うーん額縁に入れておくか。家宝だ家宝（適当）。

しかしなんで唐突に于禁が……と思ってスマホを見ると、今日は５月６日、5/6/1伏のUC于禁のスペックデーだった。

スペックデーか。それなら仕方ないな……仕方ないか？？？


https://privatter.net/p/7388691　←君主名を変換できる版はこちら。


スペックデーおめでとう于禁！イラスト描く時間なかったから夢小説を書いたよ！これからもよろしくね！