雑学トリビアー支配者の称号に関してー

どうも、燈蝋之斧です！

今日は三国志大戦でもある支配者の称号について、解説を。

……と書いても、何かわからないと思うので具体的に説明すると、皇帝、王、覇者、覇王の語源について語ります。


①皇帝
地上の支配者として天命を受けた天子。簡単に言えば、地上で一番偉い人の尊称。名乗ったガチ勢は始皇帝、漢の高祖（劉邦）〜献帝、曹丕、劉備、孫権辺りが多分馴染み深い。
皇帝エンジョイ勢としては、袁術、孫皓辺りが有名か。
ちなみに中華の歴史には、自称皇帝も多く宇宙大将軍閣下で有名な侯景も在位5ヶ月の皇帝である。

元々、皇帝の語源は三皇（伏羲、女媧、神農）※五帝（黄帝、顓頊、堯、瞬、禹）※でありこれらを始皇帝がくっ付けた事から始まる。四皇は関係ない。

当時は、王が諸侯の一番上の尊称であり、それを超えるために皇帝が作られた。

ちなみに皇帝が乱立するのは、三国志の時代以降の五胡十六国時代辺りから。三国志でも、既に劉備や孫権やハチミツの人が他に皇帝がいるのに名乗っている。ハチミツの人は、皇帝詐称のパイオニア的存在である事は、忘れてはならない歴史的事実である。

※三皇五帝には諸説あり。今回上げたのは、史記記載の人達である。


②王
皇帝がない頃は、王が一番偉い人で諸侯の最大階級は公だった。皇帝が作られて以降は、王はかなりいるため具体名をあげるのは割愛。殷王朝、周王朝は特に古くて有名な王朝である。殷の紂王とか、周の武王辺りは封神演義を読んだ人は知っている事だろう。伯邑考のハンバーグはトラウマ。夏王朝も一応、この括りなはず。ただ伝説の時代に片足突っ込んでる。

王道という言葉があるが、これは儒教的には仁徳をもって統治を行う事を指す。要は、武力で統一しちゃダメ。武力で統一した場合は、覇者になってしまう。覇者項目で説明するが王道と覇道は違うのである。相反する存在。まあ、この概念も年を降り段々薄れてくるんですけどね。覇王とか名乗っちゃう天下無敵のおじさんとか、出てきちゃうし。范増の言う事聞いとこうぜ……。


③覇者
覇者は地上で一番偉い人……じゃないんだなぁ、それが！
覇者は周王朝の時に生まれた尊称で、諸侯の中で一番強い人が選ばれます。周王朝の王がナンバーワンで、覇者がナンバーツー。要はホルホース。真面目にいうと、天皇家に対する征夷大将軍。

有名なのは、春秋戦国の五覇と呼ばれる方々。斉の桓公、晋の文公、秦の穆公、楚の壮公、宋の襄公が五覇。ただ、文献によっては呉王闔閭や越王勾践が入る事もある。紹介した方々は史記準拠。

覇者のお仕事は、諸侯から貢物を受ける代わりに外敵を排除したり、弱い国を守ったりする事。周王朝を武力で輔弼します。そういった関係上、弱い国の君主は覇者になれません。というか、取って変わられます。任侠チックだね笑

ちなみに、牛耳るという言葉はこの覇者の選定儀式から来た故事成語です。牛耳を取る、が変容した言葉ですね。覇者が牛の耳を切り取り、その血を盃に注いで諸侯に回し飲みさせた儀式が元の言葉です。やっぱり、任侠チックですね。

更に言うと、私の君主名の燈蝋之斧は覇者楚の壮公に由来する蟷螂の斧が元ネタです。楚の壮公は他にも、鼎の軽重を問うとかの故事成語を残しています。


④覇王
皆知ってる江東の小覇王の元ネタ。項籍が名乗った西楚の覇王が語源です。清楚の覇王じゃないよ！項籍って誰？項羽じゃないの？という方、羽は字です。要は項羽は諸葛孔明みたいな読み方。通な呼び方でしょ？面倒臭い人と思われるので人前では非推奨！

前述の通り、覇王の称号は本来の意味がごっちゃまぜになったモノ。まあ、当時は秦の暴政で乱世状態。王道とかいってらんない状態だったのでしょう。儒教一強でなく、法家も出てきましたしね。項籍が覇王名乗るのも、仕方ないのです。

ちなみに西楚の覇王を項籍が名乗った時、彼の名目上の上司である楚の義帝は健在でした。後に項籍に殺害されますが。その仇を討ったのが、左遷された初代漢中王の劉邦です。2代目漢中王は……言うまでもないでしょう？


とまあ……これ以上、続けると長くなるのでこれくらいで。

まとめると、

・皇帝は王が増えたから新しく始皇帝が新設した

・王は仁徳をもって諸侯を治めていた

・覇者は世襲制でなく実力主義

・覇王は項籍の作ったもの

てな感じです。

ここら辺の話をもっと詳しく知りたい方は、班固の漢書や司馬遷の史記辺りを読むと良いかと思います。

活字やだーという人は、横光版の史記や項羽と劉邦、封神演義を読むのをお勧めします。封神演義については割と原典と違うので、別になんか探しても良いかも。フジリュー版辺りとか。

ちなみに私は、春秋戦国だと田単、晏嬰が好きです。

粱父吟良いよね……。

しかしまあ、よく見たら三国志大戦とあんま関係ない投稿になってる気が……。

読んでくれた方、今更ながらスミマセン！

次は昇格戦の事書きます！

では、失礼！