本当にあった大戦怖い話『探索登用』

私の友人でTってのがいるんですけどねぇ、そいつが仲良くしてるHくんって後輩の子が体験した話なんです。

このHくん、三国志大戦が大好きだった。
かれこれ、中学1年の時から10数年遊んでる。
人生の趣味みたいなもんですよね。

暇さえあれば、100円玉を

チャリーンチャリーン

入れてね、

ボタンを

カチッカチッ、

盤上でもってカードを

スッスッ
スッスッ

こすって、
｢あぁ大戦たのしいなぁ～～^^｣
なんてやってた。

そんなある日なんですがね、
Hくん、1日の仕事が終わった。
その日は、ちょっと無理して行程をこなしたこともあって、疲れてた。
(今日は疲れたなぁ。さっさと家帰って寝ようかー。)

最初はそう思ったんですが、
何気なくポケットに手をつっこんでみると、

チャリンチャリン

鳴る。

(…昨日大戦やった時に、余ったやつだ)
ふと思ってたら、
なーんだか無性にやりたくなってきちゃった。

(疲れてるけど、いいや。
明日は始業遅いし、それまで寝てりゃあいいや。
えぇい行ったれ！)

結局、大戦をやりに行くことにした。

ふら～～っと、
行きつけのゲームセンター行って、

チャリィン
チャリィン
チャリィン
チャリィン
チャリィン

500円入れてね、

カードを

スッスッ

士気12から赤ボタンを

カチッ
カチッ

2回押して、爆進。
そんでもって落城勝利。
これがもーう気持ちよくて仕方ないんだな。

なんだかんだ勝ったり、負けたりして。
(まぁこんなもんだろぉ～～)
いい気分になって、さぁ帰ろうかーって立ち上がろうとした時、
(あらー？)
気づいた。

縁が、

120貯まってる。

縁というのは、このゲームをプレイするほど貯まるポイントみたいなもんで、
一定の数貯まると、欲しい武将カードを貰えたり、欲しいのが複数ある場合は、ガチャを回せるシステムで、
この120というのは、「探索登用」といって、ちょうどガチャが回せる数だった。

(どうしたもんかなぁ)
迷ったんですがねぇ。

そこそこ勝てて、気分が良くなってたもんだから、
(おーし、いっちょ回してみるか！)
勢いで、ガチャることにしたんです。

ツット
ツット
ツット
ツット

ターミナルまで行って、

黄忠
龐統
袁姫
新司馬懿
選んで、

『探索』

カチッ

ボタン押した。

(こういう時は一番どうでもいいと思ってるやつが来るよなぁ。おおかた袁姫だろうけど、
まーいいや。引いたら引いたで使ってみるかー)
なんて思いながらしばらく待ってると、

ガチャ

ギィィィィィィィィィィィィ

扉が、徐々に徐々に開いていく。

(お、誰だ？)

扉の中からちぃーちゃなシルエットが出てきて、

グーーーーーーッ

こっちに向かって、おっきくなっていく。
まだ誰だか定かじゃない。

(くるぞー…くるぞー…)

グーーーーーーッ

(くるくるくるくる…)

グーーーーーーッ

とうとうそいつが、
確認できるくらいのサイズまでおっきくなって、

ドンッ！
目の前に映し出された。

その瞬間、

｢うぅぅぅぅぅぅっっっっ…！！｣

彼、
声にならない悲鳴をあげた。

青ざめて、ガタガタ震えが止まらない。
冷や汗が、スーッとからだを流れていくのが分かる。

なんと、
そこに映し出されたのは、

歯ァ剥き出して、こっちをジーッとにらみつけている、SR黄忠だった。

なぜ、彼が叫んだかというと