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魔王と孫娘のなつやすみ(妄想長文ネタ)

by
めがねたぬき
めがねたぬき
むかしむかし、中国大陸に、魔王と孫娘が仲良く暮らしていました。
 
連日、殺人的な猛暑日が続くある日、孫娘は魔王に言いました。

「おじいちゃん、妾(わらわ)、おじいちゃんと一緒にお出かけしたいのじゃ!」

「そうか、白は1学期、お勉強頑張ったもんな、ご褒美に一緒に映画でも観にいこうか。」

「やったのじゃー♪」

二人はショッピングモールに出かけました。夏休みということもあって、店内は家族連れでにぎわっています。魔王と孫娘はアニメ映画を観たり、サー●ィワンでアイスクリームを食べたり、歩くと音が出るビーチサンダルを買ったりしながら楽しい時間を過ごしました。

そろそろ夕方だから帰ろうかと思ったころ、孫娘は夕食にハンバーグが食べたいと言いました。

魔王は「お母さんが夕食の準備をしてるかもしれないから、いちど確認してからね。」と、懐から、らく●くスマホを取り出して家に電話をかけました。

「ああ、お母さん?白がハンバーグを食べたいと言っているから買って帰ってもいいかな?…え、もう夕食の準備を始めてる?…頼むよ、久しぶりの白とのデートなんだ、カッコつけさせておくれよ…。」

魔王がお母さんと電話をしているとき、まわりをきょろきょろ見ていた孫娘の目に、おいしそうなハムの試食コーナーが映りました。

孫娘が試食コーナーに駆け寄ると、優しそうな店員さんが楊枝に刺したハムを孫娘に差し出します。

もぐもぐ、おいしい!思わず笑顔になる孫娘。つられて店員さんも笑顔になります。

ありがとう店員さん!笑顔でお礼を言った孫娘は試食コーナーの奥に、シュークリームやタルトが並べられたショーウインドウがあることに気づきました。孫娘はショーウインドウに駆け寄ります。おいしそうなスイーツに夢中になる孫娘。

スイーツコーナーの奥には青果類コーナー、みずみずしい果物がたくさん並べられています。さらにその向こうには色とりどりのパッケージに入ったお菓子…、孫娘は目を輝かせて店内を歩き始めました。

「おじいちゃん、あっちにすごくおいしそうなシュークリームがあったのじゃ!」…振り返ると魔王の姿がありません。

「おじいちゃん…?」

孫娘は魔王とはぐれてしまったのです。

孫娘の胸に不安がよぎります。それでも孫娘は魔王を探して走り始めました。

…おじいちゃん、おじいちゃん、おじいちゃん!

とはいえ迷子というものは、探し回れば回るほどかえって迷うものです。ついに孫娘は不安に耐え切れなくなって、泣き出してしまいました。

のじゃああ、のじゃあああ!(泣き声)

周りにはたくさんのお客さんがいますが、誰も孫娘に声をかけようとしません。それはそうです。こんなご時世ですから、迷子とはいえ、なかなか子供には声をかけづらいものがあります。他のお客さんは困った顔で心配そうに孫娘を遠巻きに見ていました。

そこへ、男女の三人組が通りかかりました。

防火服風の衣装をまとった男がニヤけながら言いました。「泣いている女の子がいる。迷子か?」

汗をかくと地肌が透けそうな白いレオタードを着た女の子が続けます。「かわいそうに、親御さんとはぐれてしまったみたいだね。案内所に連れて行ってあげようよ。」

魔法少女風のコスを着たロリが孫娘に声を掛けました。「さあ、お嬢ちゃん、こっちにおいで。ご自分のお名前は言えるかな?」
 
~ ~ ~

そのころ、魔王は孫娘を探し回っていました。

「すみません、うちの孫娘を見ませんでしたか?プラチナブロンドのツインテールで頭にドクロの髪飾りをつけた子です。…そうですか…、ありがとうございました。…あ、そこの方…。」

大切な孫娘を案ずるあまり、魔王は身も細る思い。てか、文字どおり魔王はみるみる痩せていき、手にはいつの間にか弓を持っていました。

目を真っ赤に泣きはらし、胸がつぶれそうな思いの魔王の耳に店内アナウンスが飛び込んできました。

『…涼州よりお越しの魔王さま。お連れ様が迷子になっておられます。1階の案内所までお越しください。繰り返し、迷子のご案内をさせていただきます…』

魔王が案内所へ駆けつけると、店員さんにもらったと思しきジュースの紙パックを手に、孫娘が駆け寄ってきました。

「どうしたのじゃ、おじいちゃん!そんなにムキムキになって!ライ●ップか!」

「いや、SIXP●D。」

孫娘の突然のボケにボケ返す、おじいちゃん素敵です。

そこへ孫娘を案内所へ連れてきた三人組が現れました。

「白ちゃんのおじい様ですか、はじめまして。しっかりしたいい子ですね。」「よかったね~カッコいいおじいちゃんが迎えに来てくれたよ。」「俺たちはこれで失礼します。じゃあね、白ちゃん。」

立ち去ろうとする三人組を、魔王は慌てて引き留めます。

「この度は本当にありがとうございます。なんとお礼を申し上げればいいか…、何かお礼をさせていただけないでしょうか。」

お礼なんかいいですよと、遠慮する三人組でしたが、せめてお茶だけでもと引き留める魔王に口説かれて、カフェに一緒に行くことになりました。

コーヒーの香りを囲んで話をするうちに、話題は政治の事におよびました。聞けば三人組は漢朝の腐敗とそれに伴う人々の塗炭の苦しみを憂いて、世を糺す為に仲間を求めていたのだとか(ショッピングモール内で)

魔王と三人組はコーヒーカップが空になったことも忘れて熱のこもった会話を続けます。いつしか彼らは互いの理想を共有し、それを実現するために共に戦うことを誓い合いました。

…その間、孫娘はプリン・ア・ラ・モードとオレンジジュースを平らげ、追加注文したケーキセットをパクついていました。
 
~ ~ ~

ショッピングモールの駐車場で、周りのお客さんの迷惑も顧みず、魔王は鬨の声を轟かせます。

「我ら印刷日は違えども、願わくば同年同月同日に死せん事を!」と魔王。

「まあ、大戦の稼働が終わればイヤでも全員紙切れになるんだけどね…。」とEX呂姫。

「なにこの武侠モノのテンプレをパクろうとしてすべった感じ…。」とEX孫寒華。

「VerUP前日にわざわざ投稿するようなネタじゃないだろコレ…。」とEX朱然。

「げっぷ」と孫娘。

こうして、五人の永い長い戦いの日々が始まるのです…。

…というわけで、ある程度、新カードが集まるまでこのデッキで遊ぼうと思ってます。
 

ちなみに魔王と孫娘は、その日、帰りが遅くなったことと、孫娘がおやつの食べすぎで夕食が食べられなくなったことで、お母さんに小一時間お説教されたということです。正座で。

(2018/08/07 文章を若干修正しました。)
更新日時:2018/08/07 21:52
(作成日時:2018/08/06 23:20)
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コメント( 2 )
楊狐
楊狐
2018年8月7日 10時8分

全武将がEXデッキですな。お話も面白かったですな。
全員が副将器三つ揃いなのも良いです🐘(当たり前だ!!)

めがねたぬき
めがねたぬき
2018年8月7日 21時58分

コメントありがとうございます、楊狐さん。
『全武将が~』というフレーズを読んだとき、昔、大戦ムック本の○〇先生のレビューを読んで大笑いしていたことを思い出しました。

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