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先人たちから学ぶ

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ぞね
ぞね
私は学校の授業で一番大事な科目は歴史だと思っています。歴史というのは多くの物を教えてくれます。過去の事を調べるだけで多くの場合簡単に答えまでたどり着くことができます。特に日本ではご存知のようにここ100年間は激動の世紀だったといえるでしょう。まぁこの辺の事を多く書きすぎると、こういう場所にも割と紛れ込んでいる極右極左自称憲法マニアなどにけちょんけちょんにされてしまうのでやめておきます。

日本の歴史からすればほんの一瞬の出来事のように歴史が短いアーケードゲーム業界。でもその短い歴史ですら我々に教えてくれることがあるのです。

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三国志大戦の歴史、ほんの10年程度。その10年でゲーム業界は大いに変化しました。メーカーも変わりました。しかしなにより顧客も変わりました。
三国志大戦は・・・変わらなければいけないはずです。では、どんな方向に・・・?
このような時に方向性を示してくれるかもしれないのが歴史。つまりは過去の作品やタイトル(もちろん他メーカーの物も含めて)です。

今回私がない頭を駆使した結果、ほかの作品の失敗を振りかえる事で、セガが恐らくこうしたいのではないかという三国志大戦の行く末が見えてきました。

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Case1:ゲームをより「簡単に」

この桃園SNSでも、ほかのTwitterやらなにやらを見ても「三国志大戦は難しいゲームだよね」という言葉を耳にタコができるほど聞いてきました。そして多くのプレイヤーはウンウンと頷く事でしょう。私でもそう思います。ならばもっと簡単にすれば、初心者もとっつきやすくていいのではないだろうか?という意見を多く目にしました。では本当にそうでしょうか?

ではここで、「ゲームを簡単にした事がある」ゲームがその後どうなったか見ていきましょう。

①機動戦士ガンダムEXVSマキシブースト
ガンダムを操って2VS2 で戦うゲームですね。よく動物園とか言われているアレです。いま置いてあるアレの1個前の作品です。
このゲームは通称「覚醒」と言って、ゲーム内に何回か三国志大戦で言う法具のような絶大なパワーを自分の操る機体が得る事が可能になるシステムがあります。1試合中最低でも僚機、自機で1回ずつは可能です。この覚醒をどういう時に使うか、またどうやって効果的に使うかがゲームの勝敗を大きく左右します。

バンナムさんはこの作品をリリースするにあたり、覚醒とは別に「バースト」というシステムを作りました。バーストは覚醒ととても似ているシステムで1出撃に1回自機を強くすることができるシステムです。覚醒とは独立している概念の為、覚醒と一緒に使用すると絶大な威力を発揮しました。

このバーストは結論から言うと大失敗でした。バースト機能の追加で格下の人が格上の人間にもいい勝負ができるようになり、またゲームの派手さもアップしてより下の人間が楽しめるような機能・・・となるはずでした。現実は、「バーストと覚醒を完全に駆使できる上級者が下の人間を完膚なきまでにする」光景でした。

その後マキシブーストオンラインにおいて、「E覚醒」という新たな簡単要素を追加した結果これも散々たる結果を生み出しました。

②Lord of Vermillion3(LoV3)
以前はゲームセンターに三国志大戦を筆頭に多くのACTCGが存在していましたが、いまや三国志大戦、艦これ、そしてLoV3の3つくらいになってしまいました。このゲームは三国志大戦のように相手のゲージを0にするか、終了までに相手より多ければ勝ちというゲームですが、4VS4のチーム戦で行う事が三国志大戦との大きな違いです。

このゲームは「タワー」で「マナ」を採取することから始まります。採取したマナを自ユニットにつぎ込むことでユニットが強化され、強化されたユニットで戦闘、ゲージ破壊を行います。マナを効率よく吸収するため防衛用のユニットを作ったり、逆に相手のマナ吸収を邪魔する為に攻撃用のユニットを作ったりといった駆け引きを「タワー戦」と呼び、タワー戦はどんなデッキを使おうとも避けて通れない道です。このタワー戦で一番最初に作り上げるユニットが一番大事で、このユニットの選択を誤ったり、死滅させたりしてしまうと大きく劣勢となりました。このタワー戦が最重要視されていた環境をどうにかするべく開発は新たなシステムを作りました。

「降魔」と「転生」です。降魔は早い話が、マナを使わずとも誰でも試合時間が経過するだけで降魔という強いユニットを呼べるよ!というシステムです。転生は誤って死なせてしまっても安いマナで死んだときの状態で復活させてあげるよ!といったものでした。転生をすると降魔を呼ぶ時間が大きく遅れ(最悪呼べない)、降魔を呼ぶとその後は一切アルティメットスペル(三国志大戦の法具)が使えないという、二者択一をプレイヤーに迫りゲームの幅や選択肢が広がるシステムです。これでタワー戦が苦手なあなたも安心! となるはずでした。

現実は、複雑化したゲームにおいて何が最適な選択肢なのか判断できないプレイヤーが続出しました。
ミスってしまった!でも転生できるから大丈夫!だと思っていたら結果的に降魔を呼べるまで待つことが可能だった。
あるいは降魔呼べるから転生しなくてもいいや、と思っていたらそのユニットは今すぐに復帰して欲しい、重要なユニットであった・・・などなど。

そしてどうなったか。答えはもうお分かりですね?降魔システムを使いこなした上級者とあと一歩で上級者になれたかもしれなかった中級者との圧倒的な格差が生まれ、初心者の為に追加したはずだった安心システムは初心者がどうやっても使いこなせないシロモノだったというお話です。


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以上の2タイトルを振り返ると一つの答えが見えてきます。すなわち

簡単にするというのは余計なものを省くことでしか起こりえない。簡単にするためのシステム追加は複雑化を生み格差を生む。

三国志大戦を簡単にしろというのであれば、法具が無くなったり、全武将が歩兵になったり、そういった変更になります。そんなゲームに魅力はあるでしょうか?もしそうなった場合、ランカー達が培ってきた技術がすべて水泡になります。そしてその事で今まで一番三国志大戦に貢献してきた連中がついに居なくなってしまいますね。

いくら落とすか、いつやめてしまうかもわからない初心者を迎え入れる為に、上級者をないがしろにするような変更をするはずがありません。つまりこのゲームはこれ以上難しくなることはあっても簡単になる事はあり得ないわけです。

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さて、クッソ長くて割りとどうでもいいものを、こんなところまで読んでくださった方はいるのでしょうか?いてくれたら本当に嬉しいですね。私が所持している唯一サブ将器がそろった呉国太守城兵兵兵を差し上げたいくらいの気持ちです。でもまことに申し訳ございませんが今一度タイトルをご覧ください。

その1 と書いてある。

そう、この話もうちょっとだけ続くんじゃ。

次回は「初心者がとっつきにくいゲームがどうなったか」についてです。
更新日時:2017/04/08 14:25
(作成日時:2017/04/07 14:51)
コメント( 4 )
4件のコメントを全て表示する
ぞね
ぞね
2017年4月8日 12時41分

>風の戦士さん
基本的にタワー荒らしは降魔が出てくる前までにやり切っておかないと、降魔が出た時点で防衛確定になります。よって運命神や英雄などの序盤のハラスに特化したデッキはハードルが滅茶苦茶上がり自然に消滅しました。

風の戦士
風の戦士
2017年4月8日 17時45分

なるほどだから大怪獣決戦ゲーになってたんですねー、毘沙門コスト変更辺りまでやってたので参考になりましたーLoVの事なのにありがとうございましたw

ぞね
ぞね
2017年4月8日 21時11分

>風の戦士さん
いまはそれに加えて降臨というプチ降魔みたいなものをマナを使わず呼べて、USまで使えるというとんでもないゲームに仕上がっておりますので、LoV4にもぜひご期待ください

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