昨日は時間があったので、近所の図書館へ。なんとなく書架を巡っていると『文選(もんぜん)』が目に入りました。
『文選』には、有名な『出師の表』や、陳琳が袁紹の部下だったころ、曹操をコキ下ろすために書いた檄文が収められているということを井波律子先生の本で読んだ記憶がありました。
興味が出てきたので手に取ってみると、楊修、王粲、孔融等、三国志大戦でもおなじみの面々が名を連ねています。
おお、こりゃすげーでごぜーます。とはいえ、全部読んでる時間はないので、目次をパラパラめくっていると「魏文帝(曹丕)」の名前が。
なぜか気になって、彼の作とされる『芙蓉池作』を読んでみました。
この作品は、彼が銅雀台に出かけたときの様子を書いたもので、道中の風景や夕暮れから日没にかけての空の変化が見事に表現されています。読んでみると、曹丕が夜風に吹かれながら、仕事で疲れた体をうーんと伸ばしている姿が目に浮かんできました。
彼の文章は他にも、妻が出征した夫を偲ぶ『燕歌行』や友人を気遣う手紙が収録されています。曹丕は冷酷な男という印象を持っていましたが、『文選』に収められた文章を読むと彼の淋しがり屋な一面が見えてきて面白かったです。
あと、冒頭の陳琳の檄文の話ですが、やたら長ったらしくて読んでて眠くなりました(笑)。これ読まされたら怒る以前に寝るんじゃねーの?R陳琳の計略は「春眠の誘い」にエラッタすべきだよコレ、と、どーでもいいこと考えました。
そんな休日。
…あ、大戦はプレイしましたよ。最近、お金ないから1セットのみだけど。
昔NHKでやってた漢詩紀行を思い出しました。たまたま見たのが曹操の詩の回だったかな?
名文過ぎて不覚にも感動してしまいましたw 思わず後に続いて朗読したくなってしまった。
曹操は万能の人ですが詩人としての才能が一番あったのではと思いました。
曹操と曹植の文才は知っていましたが、曹丕のは知りませんでした。
「曹丕は父・曹操、弟・曹植とともに後世「三曹」として謳われるほどの文人として知られ、その多くの優れた詩は『文選』に収められている。その中には、今日に伝わる最古の七言詩として知られ、日本の漢文の教科書でも取り上げられることが多い『燕歌行』も含まれている。その作風は概して繊細優美で、剛直な気風が窺える曹植の作品とは一線を画している」とウイキに書いてありました。へー。
>劉禅の夏休みさん
新書館の「中国史 重要人物101」のp.100によれば、現存している曹操の詩の多くは、楽府体といって曲とともに歌う形式であり、しかも酒席で即興で作られたものなのだとか。
お酒を呑みながら自然に歌が出てくるのだから、彼の詩才はすばらしいものだったのでしょうね。
>yunatogirlsさん
お恥ずかしながら、実は僕も、今回『文選』を読むまで曹丕の文才のことは知りませんでした(^^;)
学生の頃、ぜんぜん勉強しなかったもんなあ(^^;)