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たのしいえんけ5 ※長編注意

by
おかか容疑者
おかか容疑者
袁紹「私が、劉弁様と唐姫様の世話役を……?」

何皇后「そうそう、この日一日だけでいいから、ね?」

袁紹「何か、大切なご予定でも?」

何皇后「おーちゃんと、いろいろお話しておきたくってね」

袁紹「おーちゃん?」

何皇后「王美人ちゃんよ」

袁紹「あの、大変失礼ではございますが、何皇后様は王美人様とあまり関係が良くないとの噂を聞きましたが……」

何皇后「ああ、以前ちょっとケンカしてた事はあるわ。
でも今は霊帝様が行方不明になっちゃったじゃない?
そんな時に仲たがいしてる場合じゃないから、今は仲直りして、いろんなお話をしてるのよ」

袁紹「左様でしたか。
霊帝様がお見えにならない中、いかに漢王朝の威厳を取り戻すか。さぞやお二人でお悩みなのでしょうな……」

何皇后「どっちかって言うと、今はヴィトンのバッグが来てる~ とか、そのアクセすっごいカワイイ~ とか、そういうのが多いかなぁ」

袁紹「じ、女子だ……!」

何皇后「まぁ、ちょっとはマジメなお話もしておきたいからね。
そういうわけでエンちゃん、二人のこと、ヨロシクぅ。あ、お土産は買ってくるからね」





袁紹「……というわけで、本日劉弁様と唐姫様のお世話役を担います、袁紹です。よろしくお願い致します」

唐姫「袁紹さまね、よろしくね!」

劉弁「……よ、よろしく……おねがいします……」

袁紹(ふーむ……唐姫様は割と打ち解けてくれそうな雰囲気であるが、
劉弁様は明らかに警戒しているな……なんか顔色も悪いし……)

劉弁「…あ、あの………」

袁紹「む、何でしょうかな?」

劉弁「今日も、おべんきょう、するのですか………?」

袁紹「お勉強、ですか?」

唐姫「皇后様はお忙しいとき、よくこうして大人の方を呼んで、私達のお世話をおねがいしているの。
でも、大人のエラい人って、みんな『将来立派な帝となるために勉強しなさい』って、ずっと難しい話をしてくるから…」

劉弁「と、唐姫ちゃん、それは……」

袁紹(なるほど、劉弁様が余を怖がっていたのは、そういうことか……)



袁紹「……つまらない」

劉弁・唐姫「えっ?」

袁紹「確かに勉学は大事!
しかし、子供にとって一番の学びはすなわち、遊ぶ事!!
失礼ながら劉弁様も唐姫様もまだ幼い身。今の時期にいっぱい遊んでおく事は、将来に大いに役立ちます。
遊びましょう!!」

劉弁「…遊んでいて、いいの……?」

袁紹「お世話役の私が決めましたので。共に遊びましょう!
劉弁様は普段どのような遊びをしておりますかな?」

劉弁「………」(スッ)

袁紹「スマホ……?」

劉弁「ポケモン……分かる?」

袁紹「ポケモン………うむ、分かりますぞ!
コイキングを500円で売り付けられて大変でしたなあ!」

劉弁「………???」

袁紹(む、間違えたか!?
昔、確かに赤バージョンで変なオヤジに騙されていたはず……)

唐姫「スマホのポケモンGOは、このお部屋とか、周りにいるポケモンを探してゲットすることができるの」

袁紹「お、おお!ポケモンGOですか!それも少しは知ってますぞ!」
(全然分からんが、唐姫様の助け舟だ。ありがたし!)

劉弁「この部屋にいるポケモン、全部捕まえちゃったから、もっといろんなのが捕まえたいんだけど……」

袁紹「ほうほう、それなら外に出ましょうか」

劉弁「え、いいの…!?」

唐姫「お外は危ない人がいるから出ちゃダメ、って皇后様から言われているんですけど…」

袁紹「なぁに、この袁紹が付いております。いざという時はお任せ下され!ハッハッハ!」

劉弁「お外…出られるんだ。うれしいな……!」





劉弁「いっぱい、新しいポケモンが捕まえられた…」

唐姫「よかったわね、弁さま!」

袁紹「劉弁様の頑張りがあってこそですな!」
(結構歩くな。まぁ散歩にもなるし、これはこれで良いか……)







周倉「だ、大丈夫ッスかね、こんなに漢王朝に近づいちゃって……」

程遠志「周倉よ、今日はオレの鼻がうずくんだ。
今日はここでデッカイ獲物が見つかる、ってな」

周倉「そりゃあ、漢の高官でも捕まえたら、俺っちたちは大スターになるッスけど」

程遠志「だろ?そんな場面を想像してみろ。
張角様たちから向けられる熱い眼差し……ビンビンに感じてぇよなぁ!」

周倉「しかし、そううまく行くッスか
……って、程遠志サン、あれ、あれ!!」

程遠志「ん?……おおっ!三人ほど向こうに歩いてやがるな!
子供が二人に大人が一人か…。こっちに向かってきている。
これはチャンスだぜぇ!」

周倉「遠目から見た感じ、みんな綺麗な服を着てるっぽいッス。身分高そうな感じがプンプンッスね。
どうするッスか、程遠志サン?」

程遠志「ここの大岩に二人で隠れるぞ。
奴らが近くに来て、俺が合図したら一緒に飛び出して大人の方を倒し、子供を捕まえて逃げるぞ」

周倉「子供に手を出すのは気が引けるッスけど、仕方ねえッスね…」

程遠志「まあな…俺もできる事ならやりたくはない。
だがな、これも黄巾の教えを広めて俺たちの世を創るためなんだ。割り切ってやろうぜ」






劉弁「あ、向こうの岩のうしろにワンリキーが2匹いる」

袁紹「おお、2匹もいるのですか。さっそく捕まえてしまいましょう!」








周倉「あの、なんか、『岩の後ろの2匹を捕まえる』とかって……」

程遠志「げえっ!?バレてる!?
それなら隠れてる意味もねぇわな、正々堂々と出ていくぞ!」

周倉「わ、わかったッス!」









程遠志「ヘッヘッヘ……バレちまったらしょうがねえ」

劉弁「えっ!?」

唐姫「えっ!?!?」

袁紹「げえっ!!!!」

周倉「ええ!?!?!?」

程遠志「バレてなかったの!?!?」

袁紹「黄色い布…。貴様ら、黄巾賊か!」

周倉「タケちゃんマンはいないッスけどね」

程遠志「ひょうきん族はわかんねぇだろ。
おうともよ。キンキラのおっさん、悪いがそこの二人は張角様のためにいただいていくぜ」

袁紹「売れないお笑い芸人みたいに呼ぶのはやめなさい」

劉弁「ぼ、僕たちを捕まえるの……!?」

周倉「だ、大丈夫ッス!痛い事はしないッスから!」

程遠志「ああ……余計な抵抗をしなけりゃな。
そうすりゃ黄巾の教えもますます広まる。俺達も優雅でビンビンな生活ができる。みんながハッピーだぜ!」

袁紹(張角からの恩賞が目当てか……。
  ………ん?
  これってひょっとして、余の印象を強めるチャーンスでは……!?)







袁紹「待て待て!
まずは穏便に話し合いをしようではないかーっ!!」(ダッダッダッ)

程遠志「い、いきなり走ってくるんじゃねえ!キンキラのおっさん!」

周倉「て、程遠志サン!あの人の持ってる袋!」



チャリン
チャリン



程遠志「!!」



袁紹(お前たちにこれをやるから、余に協力してくれぬか?)

チャリン

周倉(いいっ、こ、こんなに!?)

程遠志(…………)

袁紹(どうだ?悪い話では……)



程遠志(ダンナ、何を水臭いことをおっしゃる。
   俺達とダンナの仲じゃねえですか)(ポン)

周倉(切り替え、はやっ!!)

袁紹(うむ、助かる。
  余がお前たちに攻撃するから、それを受けてやられたフリをしてそのまま逃げて行ってほしいのだ)

程遠志(なぁに、そういうのは得意分野ですぜ。お任せを!)

周倉(程遠志サンが言うと説得力あるッスね……)

袁紹(そっちのトンガリ君もいいか?)

周倉(お、俺ッスか…。
  まぁ、内容は了解したッス!)

袁紹(オーケーだな。
  では、初めは強く当たって、あとは流れでお願いします)

程遠志・周倉(ラジャー!)






袁紹「どうやら話し合いでは解決できないようだな…。
  ではやむを得ん、実力行使とさせてもらおうか!」

程遠志「さあ来いオッサン!
  オレは実は一回蹴られただけでやられるぞオオ!」

袁紹「袁家反転きりもみキーック!!」

程遠志「びゃーあばばばばば!(バタッ)」

周倉「程遠志サン!アナタの仇は俺が取るッ……」

袁紹「袁家回転フルキーック!!」

周倉「マ、マジッスかー!(バタッ)」





程遠志「クソッ、こいつは強ぇぜ!ここは逃げるぞ!」

周倉「了解ッス!全力疾走ッス!!」(ピューッ)

程遠志「あ、ちょ、待て周倉!お前が全力で走ったら馬より早いんだから!待って!(ダッダッダッダッ)

ちょ……おい………待っ……」









袁紹「…………
  勝った…………!」

劉弁「袁紹どの、すごい……!」

唐姫「袁紹様って、強いのね!」

袁紹「フ……ハッハッハッハ!
  ざっとこんなものです!
  この袁紹が、お二人も、漢王朝も守ってゆきますからな!」

劉弁「捕まらなくてよかった。本当に、ありがとう……」

袁紹「うむ、しかし長居は危険かもしれませんな。
  劉弁様もたくさん歩いてお疲れでしょう。私が肩車して、王宮までお連れしましょう。それっ」

劉弁「う、うわっ、高い……!」

袁紹「私の頭に手を置いてくだされ」

劉弁「こ、こう……?
  
  …うわぁ、景色が遠くまで見える…!」

袁紹「ハハハ。体つきが大きいと、よく言われますからな」

劉弁「すごいな……
  僕も袁紹どのみたいに、大きくなれるかな……?」

袁紹「なれますよ。劉弁様なら、必ず。
  貴方のご両親は素晴らしいお方だ。
  貴方は、その血筋を引いておられるのですから」

唐姫「いいなぁ、私も肩車してほしい!」

袁紹「もちろんですよ。
  では、もう少し進んだら交代にしましょうか」







何皇后「ただいま~!二人とも、ちゃんと良い子にしてたぁ?」

劉弁「…ぐー、ぐー…」

唐姫「…すー、すー…」

袁紹「お帰りなさいませ、何皇后様」

何皇后「あらぁ、二人ともおねむだったのね」

袁紹「ええ、一緒に遊んでおりましたら、少し疲れてしまったようで」

何皇后「……安らかな寝顔」

袁紹「ええ。
  子の寝顔は親にとっての宝、でしょうな」

何皇后「そういう事じゃなくて…」

袁紹「?」

何皇后「ここ最近見た中で、一番楽しそうな寝顔だわ。きっと、エンちゃんと一緒にいられて楽しかったんじゃないか、って思うわ。
   
   …今日はありがとね」

袁紹「いえ、こちらこそ久々に良い体験をさせていただきました。お礼を申したいのは私です」

何皇后「律義ねぇ。でも、それなら良かったわ。
   …エンちゃんみたいなパパがいてくれたら、いいんだけどね」

袁紹「どっきーん!!」

何皇后「やだぁ、冗談よー。ジョウダン。
   今の話は二人だけの秘密よ?」

袁紹「も、もちろんでございます。二人だけの秘密、ということで…」

何皇后「あ、そうだ。これ、よかったらみんなで食べてね。
   厳氏さんの店のプリン」

袁紹「お土産でございますか。配下の者の分まで…ありがとうございます」

何皇后「"当たり"引かないように気を付けてねぇ」

袁紹「ハハハ、祈っておきます。
  …では、本日はこれにて」









袁紹「ほぉらお土産だぁ、上げるぞぉデンちゃん♪」

沮授「帰ってきてからずっとニヤニヤしてますね、殿」

田豊「殿、お土産は非常に嬉しいのですが、その呼び方はやめてくださらぬか……」






~~~~~~~~~~







周倉「程遠志サン、どうするッスか、このお金?」

程遠志「あー、お互い好きに使うとするか?」

周倉「そりゃあ欲しい物はなくはないッスけど、何ていうか、申し訳なさがあるんスよねぇ…」

程遠志「お前もそうか。これ、言ってみりゃ幸運の賜物だし、他の皆に対してなんかな……」

周倉「程遠志サンもそう思うッスか。

  ……だったら……」










一同「カンパーイ!!」

何儀「肉だぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

馬元義「しかし悪いな、まさか君たちの奢りでこんな豪勢な飲み会を楽しめるなんて」

程遠志「ま、ま、気にすんなって。俺も周倉も、みんなに日頃のちょっとした恩返しをしたかっただけだからよ!
   あ、くれぐれも張角様たちにはナイショにしといてくれよな」

馬元義「もちろんだ。そこは我々の結束力を信頼してもらおう」



波才「しばらく黄巾から離れてたオレも誘ってもらえるなんて、本当うれしいっす!」

張曼成「向こうの張嶷軍とやらでも蟻飼ってるのか?」

波才「蟻増やしてたらウガンマンさんがビックリしてたっす!」

張曼成「そういや、こっちに居たときも張梁様が蟻の大群にテンパってたな。『アリだー!』とか叫んで。
   いや、懐かしい!」




管亥「野郎ども!飲んでるかぁ!!」

一同「イエーィ!!」

管亥「ここで一曲ゥ!『マッスルレボリューション』、行くぞォ!!」

一同「イエーィ!!!!!」


一同『腹筋!背筋!大胸筋!!!!
  力こぶだよ上腕二頭筋!!!!』







周倉(……やっぱ、こういうのが一番イイッスねぇ)
更新日時:2018/03/27 10:44
(作成日時:2018/03/27 10:44)
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コメント( 16 )
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竜頭蛇尾
竜頭蛇尾
2018年3月27日 22時50分

袁家は今日もにぎやかで安心しました(何

しろからす
しろからす
2018年3月27日 22時58分

なんで漢王朝は滅んだんだろう(哲学)
天心さんとことリンクしてるのもいいすねえ~

おかか容疑者
おかか容疑者
2018年3月28日 4時45分

・劉禅さん
敵は~ 地獄の~ 曹孟徳~!
戦う~ 正義の~ 名門袁家 袁紹!!
・柱の男さん
殿は子供から人気出るタイプだろうなぁってすっごい思ってます。
今のも昔のも黄巾組はイイ味出してますねぇ。
・竜頭蛇尾さん
今度はプリンのせいで賑やかになりそうです(悪い意味で)
メンバーも増えるし一層騒がしくなりますね。
・白烏さん
曹丕が悪いよ~曹丕が~!
ちょいちょいネタもらってます。みんなで天心さんをシェアしましょう(物理的に)

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