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クリスマススペシャル(茶番劇)

by
楊狐
楊狐
今回の投稿はフィクションかつ、自己満足文となります。

創作は自分の趣味じゃないよ。合わないなぁという方、苦手な方は引き続き桃園の方へお戻りください。

今回は三国志大戦とあんまり関係ないので。天心十五さんの茶番劇みたいなものなので。

では。

はじまり、はじまり。





「んなぁ~、いい策が思いつかないだろう。あっち行ってろよ。しっしっ」
 台本を音読しながら、諸葛鈴はこんな生き物が本当にいるのだろうかと思った。
 実際に、この生き物役の衣装を自分が身に着け、その結果。
 兎の耳やら毛皮で全身を覆うことになったことに困惑を感じる一方で。
(もしいるのなら抱きしめてあげたいものですね)
 妙な満足感もあった。

「諸葛鈴殿、もうじき我々の出番のようですよ」
 諸葛鈴を呼びに来た関興も、いつもと装いが違っていた。
 頭に変な兜や首に大きな輪っかを付けていた。鉄製の籠手も気になる。
 どうも人間ではない役をやるそうだが、その役は人間に近い形をした別の何からしい。
 そんな関興の姿を見ながら彼女は呟いた。
「……兄の考えることはわかりませんね」
 一体どんな舞台劇をやるのか諸葛鈴には見当もつかなかった。


「おう、諸葛亮殿」
 張嶷は女装していた。
 なんで自分が女性の役なのかはわからないが、とりあえず面白そうだからという理由でやることにした。
 どうやら諸葛亮の娘役らしい。
 肝心の諸葛亮は全身黒づくめで、顔すらも覆う西洋式の兜をかぶっていた。
 おまけに尻尾まで生えている。
 一体何の役なのか、さっぱりわからないが。
(まぁ、天才の考えることだ。俺はみんなと団結して、この劇を成功させるだけだ)
 そう思っている張嶷に意外な返答が返ってきた。

「ワシは諸葛亮ではないぞ」
 そういうと諸葛均は、被っていた西洋兜を脱いで顔を見せた。
「諸葛均殿か!? では諸葛亮殿は?」
「ワシに役を押し付けて別の劇の監修にむかった」
「ああ、そういえば他の連中も劇をやるといっていたな」
「まぁ、そうことだ」
 脱いだ西洋兜の頭頂部をポンポンと叩きながらつぶやいた。
「ま、こんなもんか…」





「朕のこと食べないでください~」
 懇願する少帝。
「食べるわけないだろ!」
 憤慨する孔融。 

 少帝と孔融。セリフ合わせをしている二人に、豹の耳をはやした曹操は満足そうにつぶやいた。
「二人ともいい調子だぞ」
 しかし、その一方で狼の耳をはやした蔡瑁が何とも言えない表情で自分や曹操の衣装を見比べる。
「そ、」
「我々が見守っているからな。間違いはない」
 蔡瑁が何かを言おうとするのを制するように獅子の耳をはやした韓遂が言葉を重ねる。
「……言いたいことはわかる」
 続けて韓遂は、蔡瑁にだけ聞こえるようにささやいた。
「だが、まぁ、諸葛亮殿の考えた劇だ。ワシら凡人にはわからん何かしらの意味があるのだろう」
「こ、この衣装にもか?」
 けものの耳を付けるというのは、蔡瑁にもまだなんとなくわかる。
 その、けものの役として自分が演じているのだから、だが、なぜ西洋風の、それも女性ものの衣装を着なければならないのか。
 そこだけがわからない。
 特に、この丈の短そうな「スカート」というものが非常に落ち着かない。

「……ああ、意味があると信じたいものだな」
 そこは半分あきらめたという感じで韓遂は応じた。
 その視線の先には少帝や孔融がいた。子供であるふたりは衣装が似合っている。
 役柄として女の子を演じるらしいが、あの二人なら大丈夫だろう。曹操も、その容姿から何とかなりそうだ。
 だが、自分たちは。
「とりあえず、ワシらは諸葛亮殿を信じて劇を成功させよう」
 同じような格好している韓遂にそういわれては、蔡瑁も納得せざる終えなかった。
「張梁殿も朝から衣装を着て待機しているのだからな」
 そんな韓遂の言葉を聞きながら張梁は思った。
(まだ俺、衣装に着替えていないんだけど)
 たしか自分の役はゴリラだったことを思いだした。





 ……きゅらきゅらきゅらきゅら。
 黄月英が作ったらしい鉄製の車が、舞台である廃墟の中を進んでゆく。
「反省してください」
 操縦するための席に座り、車を操作する張姜子が荷台でだらける曹沖に声をかけた。
「ねぇ、僕の演じる役ってこんなだらだらしてていいの?」
 荷台であおむけに寝ている曹沖の眼前には青空が広がっていた。
「いいらしいですよ。台本にもあるし」
 しかしと曹沖は思う。
 
 この劇は何かの比喩。あるいは象徴なのだろうか。
 廃墟の中を、この妙な車に乗って進んでいくだけのただそれだけの劇。
 登場人物は自分と張姜子だけ。それもどちらがどちら役でも務まりそうな感じであった。
「……遠い未来の」
「え、なに?」
「この劇は遠い遠い未来の物語だと聞いています」
 曹沖の疑問に答えるように、前方を向いたまま張姜子は言った。
「……遠い未来か」
 もう誰もいない世界。
 何もかもが失われた世界。
 争うための人も物も目的も何も残っていないのだろう。
 あるのはかつて抱いた人の夢。その残骸ばかり。
 そんな世界をただただ進んでゆくのみ。
「この劇の結末って……」
「それが白紙なんですよね」
「え?」
「最後は私たちのアドリブでやっていいそうですよ」
 そんな張姜子の言葉に曹沖は思った。
(この難問、解けるかな?)
 




以上。茶番劇でした。

元ネタは今年注目された作品だったり、原作が漫画でアニメ化されたものだったりします。

何より自分が好きで買ってしまったものばかりですW

特に最後の劇の元ネタは、まさかこれがアニメするとはまるで思っていませんでした。

原作の漫画。その一巻買ったの何年前だろ。近年だろうけど。

アニメ化するって聞いたときにどうするんだろうと思ったら、まったく原作通りの絵柄が動き話が進んでゆく。

いやぁ、面白かった。

今日はまぁ、クリスマスということなんで。

こんな投稿も一つくらいあってもいいんじゃないかなぁと思って悪ふざけしてみました。

天心十五さんとかいるから全然大丈夫だろうと思いながらw

次はちゃんとした三国志大戦の投稿しよう。

では再見











 
更新日時:2017/12/25 14:34
(作成日時:2017/12/25 14:34)
コメント( 15 )
15件のコメントを全て表示する
楊狐
楊狐
2017年12月26日 9時1分

七歩之才さんコメントありがとうございます。
元ネタとの融合が結構うまくいった感があり、知名度的にもフレンズが一番だったかな。

楊狐
楊狐
2017年12月26日 9時3分

🐨子守熊🐨さんコメントありがとうございます。
このネタ考えた瞬間、オチとして張梁はいいネタ要員になりましたW

楊狐
楊狐
2017年12月26日 9時7分

七篠☆紗緒さんコメントありがとうございます。
作品の内容(話が進むほどハードになってゆく)からおとぎ銃士◯ずきんと結びつかなかったW 
友人に指摘されて、ああ、作者ってこの作品にもかかわってたよなと思いだしました。

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