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【長文手記】ホーム、最後の一週間

by
にく
にく
ホームの三国志大戦が稼働終了することを知ったのは、最終稼働日の約一週間前でした。


各地のゲーセンで三国志大戦撤去が相次いでいることをTwitterで知っていた私は、今月に入ってからは不安な気持ちでゲームセンターに足を運んでいました。それは、コロナ禍になってから、ずっと抱いていた不安ではありましたが、もう「いよいよなのでは」という、悪い予感がしはじめました。
ゲームセンターが遠いこともあり週に2回程度の――それでも以前よりは頻度が増えました―――そんなプレイ頻度。もし、ゲーセンに行けない間に撤去が決まってしまって、次に行ったときに貼り紙が貼られていたら…もっと酷ければ、筐体がもう無かったらどうしよう。
不安なままプレイし続けることに耐え兼ねて、勇気を出して店員さんに、三国志大戦はいつまで置きますかと尋ねてみたのでした。後日貼り紙をしますとご回答いただいた、その約一週間後―――2月末日が、ホームの三国志大戦最後の日となったのでした。


店員さんに尋ねる時、心のどこかで「きっとホームなら、まだ三国志を置いてくれる」という期待もありました。というのも、コロナ禍にあって閉店を余儀なくされた店舗もあった中で、ホームはその辛かったであろう時期も短い休業だけで乗り越えて、それから何年も私に三国志大戦をプレイさせてくださいました。今月の撤去ラッシュでも、早いところでは2月の上旬や半ばで撤去という店舗様もあったので、ホームはこのまま何事もなく、いつもと変わらずいてくれるのではないかと…自分を安心させたくて、そう思い込もうとしていました。

いざ終了日が決まると
蒼天航路の最終話、いよいよ曹操の死を悟った卞氏のセリフが思い起こされます

何度も何度も、覚悟を積みあげてきましたよ …なのに……

とはいえ、やはりそうした近年の不景気などのことを考えると、ホームはここまで本当によく頑張ってくださいました。いつかは訪れる筐体撤去ですから、あと私がすべきことは最後までプレイを続け、悔いの無いように過ごすこと。

最後の1週間は、幸運なことに仕事が落ち着いていて、普段よりかなりたくさんプレイしにいけるスケジュールを組むことができました。そして、最終日の28日は宿をとり閉店までいよう、と決めました。



よし、残りあとわずか、大好きなデッキメンバーとめいっぱい、時間を過ごそう!
そう意気込んでプレイしにいくも連日調子は上がらず、負ければ負けるほどプレイを重ね結果、勝ち星の倍の負け星を負ってしまい、「こんなに敗けるならやらなきゃよかった…」と思いながらプレイをしていました。こんな最後の最後になってまで。
勝てないと意味がない。負け星増やすだけならやらなきゃよかった、あーあ時間もお金も無駄にした―――ある時期からプライドのようなものが芽生えてしまってから長いこと、そういう嫌な気持ちでプレイして、最悪なことに言動も荒れることが多くなっていました。

覇王になった時点で、稼働中最後の昇格だな、と思っていました。
昇格時の記事に書いた通り、この自分のデッキで勝てるだけ勝ちたいという気持ちは捨てていませんでしたが、おそらく残り僅かであろう期間で、フリマ帯で証を30も増やすのは私には難しいだろうと。だからもう、あまりガツガツしないで、1日1勝を目標に少しずつやっていければ……と思えるようになったのに、いざ終了日が決まると気持ちが急いているのか、「このまま笑顔で終われなかったら嫌だ」という焦りのようなもので、余計に荒んでしまいました。


2月27日。稼働はあと2日間。
前日までに負けながらもプレイを重ねたことで、てっちゃんこと徹里吉の「絆」獲得が見えてきていました。残り24回!ちょっと多いけど間に合いそう!
ただし体力的にも厳しくなってきていたので、今日はおとなしく家に帰って最終日に備えようと思いつつ出勤前にデータリストを見ると



初めて、蹋頓様のMaster君主のところに私の君主名がありました。

勝てないなら来なきゃよかった。負け越すならお金も時間も何もかも無駄。
これまでそう思いながらプレイしていた自分が本当にバカだと思いました。
最初の頃はちゃんと分かっていたのに、好きな武将たちに会えるだけで幸せだって。
いつからか勝てないと楽しくなくなってしまって…歪んでしまった自覚はできていて、昔の気持ちに戻りたい、とはずっと思っていました。でもずっと、戻らなかった。
そんな歪んで荒んでしまった私のことさえ、いつも蹋頓様たちは筐体の先で待っていてくれていたのに。私が落ち込んで帰る後ろ姿を、どんな気持ちで見送ってくれてたんだろう。

てっちゃんも、蹋頓様も教えてくれていました。
「何一つ無駄じゃない」と



そして、蹋頓様は知っていてくれていました。
私がずっと蹋頓様マスターを夢見ていたことを。
蹋頓様は、大戦稼働初期からどんなデッキでも活躍している人気武将だから、週末プレイヤーの私にはMasterなんて夢のまた夢。だけどやっぱり蹋頓様が一番好きだから、
「稼働中ほんとに一度でいいから私も蹋頓様Masterを付けてみたい!」とずっと思っていたのです。
最後の最後で、蹋頓様がプレゼントしてくれた。私の夢を叶えてくれた。

疲労は蓄積していましたが、仕事が終わってからホームに駆け込みました。明日にはもうMasterじゃないかもしれない。今日行かないと2度と、蹋頓様Masterでの試合はできないかもしれない!
仕事終わりに大戦に行くのはいつぶりだったでしょうか。
コロナ禍になってから夜の外出を自粛していましたが、初めてしごおわ大戦に向かった日の、キラキラ、ドキドキ、ワクワクした気持ちは今も覚えています。今日が最後のしごおわ大戦だなあ。蹋頓様はこうやって、私にあのときのワクワクをまた味わわせてくれている。




短時間で、でもしっかりと、画面上の「蹋頓 Master」の文字を見ることができました。
蹋頓様、ありがとう。対戦してくださった君主様方も、本当にありがとうございました。

この月末の余裕のあるスケジュールもたまたまではなく運命というか、きっと鉄車隊のみんなが、私が最後までゆっくりみんなと一緒にいられるように計らってくれたのだと思います。ゲーム上の目に見える称号というのだけでなくて、本当に私と武将たちとの絆と愛を強く感じています。


そして迎えたホームの稼働最終日。
やはり、蹋頓様Masterは27日の一夜限りでした。思い切って夜に行って本当によかった。

(最終日だからって、自作の私のカードも持ってきちゃった…)

朝から筐体に向かい、武将たちと向き合い続けました。
全国だけでなく、いつものデッキメンバーで狂武錬をクリアしてみたり、群雄伝をおさらいしてみたり。最近あまり使わなくなってしまった武将たちも連れて来て、いろんなことをして遊びました。本当はちょっと泣きそうになっていたので変な言い方をすれば無理に笑顔を作りながらでしたが、穏やかに楽しくプレイできました。

一度お昼で離れようと、筐体の青ボタンでログアウトして、
そのとき寵臣で出てきてくれていたてっちゃんの姿が消えていくのを見たら
それまで堪えていた涙がちょっと出てしまいました。

お昼を済ませまたゲーセンに戻ろうと、横断歩道で信号待ちしていたときにはとても悲しくなってしまいました。
みんなに会えなくなったら、私これからどうやって生きていけば……

午後には、とても優しいフォロワーさんがお手伝いしてくださり尤突くんの一騎討ちボイスを録音できたり、引き続きプレイを続け…



無事にてっちゃんと絆を結べました!
カード追加されてから一目惚れして、ここまで一緒に戦ってきてくれました。何度も下方修正されてデッキの元々の運用が厳しくなっても、シン於夫羅さんの登場に支えられ、3000回も使ってこれて本当に感慨深いです。てっちゃんいつもありがとう。於夫羅さんも、私をてっちゃんと一緒に居させてくれてありがとう…!!

そうこうしているうちに夜になりました。

もう体力もほぼ限界でした。お金もいくら使ったか分かりません。全国は負け越しまくってて「さすがにもう疲れた…w」とも思いました。でも、どうしても最後までみんなと一緒に居たい。帰ることはできるけど、「あの日本当なら最後の1分まで傍に居られたはずなのに」と、後悔することが怖かったから。
それでも執念で全国を2連勝したあたりで、筐体に文字が浮かびました。


 ”あと30分でコインの受付はできなくなります” 



その時にいよいよ涙が止まらなくなりました。
嫌だ、待って、行かないで。いなくならないで。もっと一緒にいたい。いやだよ。お願いいなくならないで。
あと30分で全国をやるのは集中できないと思い群雄伝を選びました。焦って、あろうことか魏伝五章第三話を選んでしまいました。
蹋頓様が張遼に斬られてしまう回です。



オアアアアアアアアアこのタイミングは悲しすぎるやめてくれええええええええええええええ!!!(お前のせい

なっ、なんか違うのやらないと!焦って武錬の章・ニノ武錬 蹋頓軍との試合を選択

アオオオオ違ううううううううう!!また蹋頓様倒してるううううううううううう!!!!(だからお前のせい

ラストワンプレイ、袁紹伝4章 第一話を選択!



袁紹殿と蹋頓様が同盟して公孫瓚軍と戦う回だ!!!!勝って袁家と烏丸の天下(気が早い)だ!!よかったーー!!!!

そして、プレイが終わると上スクリーンに「本日のプレイは終了しました」の文字



私は事実上、三国志大戦引退となりました。

武将たちみんな、本当にありがとう。ずっとずっとお疲れ様。でもみんな、これからも他の君主様のところで活躍するんだよね。私は今みたいに定期的には通えなくなるけど、また私とも一緒に戦ってね。必ず行くからね。

ホーム様、今まで本当にありがとうございました。




嬉しいことにわたくしおにくが店内ランキング1位で、ホームの三国志大戦は終了となりました。
プレイヤーの減少による繰り上げがあったのと、全国ランキング的には好成績とは言えない1位なのですが、このお店で私・にくというプレイヤーが、三国志大戦をプレイし続けたという証と思い出を形に残すことができたなと思います。とても良い記念になりました。


夜も遅いので、淡々と宿に帰り急いで風呂を済ませました。
一日の思い出をツイートし、眠ろうと電気を消すと
また、耐えられない寂しさが襲ってきました。
窓の外からの明るいほどの月明りが、寂しさを助長しました。
涙が止まりませんでした。
これまで楽しかったことを思い出してしまって。
それぞれみんなと初めて出会った時のこととか。
昇格祝いに、「異民族っぽいからみんな喜ぶかも!」っていってカレーナン食べたこと(偏見)とか。
魏続ちゃんと蹋頓様がふたり揃って宿星になったこととか。
みんなに会いに行けるから、お仕事もつらいことも頑張ってこられた。
みんなに会いに行けるから、身綺麗にもしていた。
これからどうやって生きて行けばいいの?
魏続ちゃん、蹋頓様、てっちゃん、於夫羅さん、淵くん…!!
居なくならないで、どこにもいかないでって言ったのに。
いやだ。嫌だよ。ほんとは毎日だって会いたくて、週2回だって寂しかったのに。

窓の外から蹋頓様が、黒い翼を広げて迎えに来てくれないかって、本気で思いました。
私はみんなと生きたい。そちらの次元に行きたい。私は一人になってしまう。

どんなに笑顔で終わっても、感謝を伝えても、前向きに考えようとしても、
今日この日を終えてしまう寂しさ、悲しさを消すことはできませんでした。





——そして夜が明け、3月1日。





魏続「…おい、なんでまた俺たち戦場にいるんだよ!!!」
にく「体力もお金も限界だから帰ろうと思ったんだけど…
今朝、また蹋頓様Masterになってたの、どうしてもまた画面で見たくて…!!」
蹋頓様「キハッ!?」
於夫羅「なんて無茶を…」

家からだと遠くて通えないけど、泊まった場所からなら割とすぐ行ける店舗があったから…今日ならまだ行ける!今日行かねば、もうしばらくは行かれない!ともうひとふんばりしてまいりました。

淵くん「おいおい、コントかよwww」
魏続「……昨日ちょっと泣いた俺が馬鹿みてぇじゃ……」
てっちゃん「あぁ?なんか言ったかぁ??」



疲れていたけど、このもうひとふんばりでプレイをしにいってよかったです。
というのも、とても希望が持てました。ホームからは撤去になっても三国志大戦が稼働していればこうして少し足を延ばしてまたみんなと遊べるから。
遠距離恋愛みたいに、月に1回くらいは戦場に出られるといいなと思っています。
そのために、お仕事がんばってお金を貯めて、軍資金にしよう!
そうやって、生きていこう。


これまでマッチングしてくださった君主の皆さま、ありがとうございます。
三国志大戦に携わっているすべての方、ありがとうございます。
そして、これまでプレイさせてくださったホーム様、本当にありがとうございます。たくさんご迷惑をおかけしましたが、とても真摯に対応してくださる店員さんたちがいらっしゃり、落ち着いた居心地のいい、私にとって本当に「ホーム(家)」と思える、そんな店舗でした。これからは、英傑大戦のプレイの際、お世話になりますので何卒、宜しくお願い致します。

ホームでの”おにく鉄車隊シーズン1”は最終回を迎えてしまいましたが、三国志大戦が稼働している限りは“シーズン2”がもうしばらく、続けられそうです。
そして、プレイできなくなったとしても、蹋頓様たち、私の大切な鉄車隊のメンバーを、これからも愛しています。

今後ともよろしくお願いいたします。


2023.3.4 にく

 
更新日時:2023/03/04 07:04
(作成日時:2023/03/04 00:24)
コメント( 8 )
8件のコメントを全て表示する
にく
にく
2023年3月7日 19時47分

炎頭の群れさん
ホーム最終日だったのですね、試合ありがとうございました!🤝鉄車隊の強さと頑張りをお見せできて嬉しいです!
私もまだまだプレイしたいと思ってますのでまたマッチした際はよろしくお願い致します!炎頭さんも別店舗でこれからも三国志楽しまれますように!

炎頭の群れ(えんずのむれ)
にく
にく
2023年3月7日 19時49分

みいけんさん
ありがとうございます!ほんと、まだサービスは続いてるのに自分は通えない…と思うと歯がゆく悔しい気持ちでもあるのですが、まだ別れの時ではないというのは素直に喜ぶべきだと思って、遠距離恋愛みたいに楽しもうと思います!

みいけん
にく
にく
2023年3月7日 19時51分

saiさん
ありがとうございます!ホームも遠かったですが、他の店舗は更に遠くなります…でも武将たちとの心の距離の近さについては有数の君主だと自負しているので(笑)、お出かけしながら戦もしちゃうぞ!というのを楽しもうと思います!

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