現在公開中の「アイの歌声を聴かせて」を先週の土曜日に何となく見に行ったのですが、そこで想像をはるかに超える感動と衝撃を受けて
今日2回目を見てきました。
1回目ももちろんウルウル来たのですが、まさか2回目の方がワンワン泣くとは思いもしなかったです・・・
それほど良い映画だった、多分自分の見た映画の中でもかなり上位に入るんじゃないかな?
自分の中で何が良かったか、何が革新的だったかを整理していたら、これは文字に残さないといけないなと思ったので、乱文ですがしたためて行こうと思います。
ということで、ネタバレを回避した感想はこのまま記入して
ネタバレは白文字にするので、もう見たよって人は反転して頂ければ
【見てない人向けの感想】
自分はPVを見て何となく「響けユーフォニアム」とか「TARITARI」みたいなジュブナイル映画を想像していました。
たしかにジュブナイル映画、高校生青春群像劇で間違いは無いのだけれど、安易に想像していた起承転結とはちょっと違うテーマが後半になると分かってきて
最後は涙を止める事が出来なかったですわ・・・
割と自分は映画をまっさらな感じで見るので、「あ、これは複線だな?」とか「あ、この表現はこういう意図があるな?」とか変な勘ぐったりせず
ただ、あるがまま、映像で流されるままを受け取る単細胞スタイルなのですが
今回の映画は本当にこの単細胞スタイルで映画見ててよかったぁと思いました。
映画は前半がミュージカル調で進む形で、共感性羞恥心が強い方だとちょっとキツイ部分もあります。
よく揶揄されるネットスラングで「突然歌うよ~」ってあるのですが、まさにそんな感じ
ですが、だんだんと歌と素晴らしい映像美に見入ってしまい、ロングPVでも少しでてる柔道シーンで心をグッと掴まれました
前半が終わり、後半に差し掛かってくると、一気に物語が加速し、ジェットコースターとメリーゴーランドとエレクトリカルパレードを同時に乗るような体験が待っていました。
最終的には誰も不幸にならず、誰も傷つかず、得も言われぬ多幸感につつまれて終了しました。
そして、これは2回目を絶対に見なくてはいけない、そういう映画になっていると思います。
良質な脚本、映像美、歌、音楽、感動、笑い、悲しみ、そして幸せをこれでもかと詰め込んで、詰め込み過ぎて
その全てが調和した非常に完成度の高い名作だと思うのです。
今年は結構映画を見ていて、アニメ映画で言えば「閃光のハサウェイ」「竜とそばかすの姫」「攻殻機動隊2045」あたりをみました。
どの作品も非常に面白く、80点以上の点数が付く映画ばかりで、今年は本当にすごいなと・・
ただ、どの作品も、見ている時間常に80点以上を出しているわけではなく
多少の中だるみや、微妙な部分があったりで、シーンによっては60点とか40点とかになる部分もあります。
もちろん100点、120点が出るシーンがあるからこそ、高評価なんですが
この「アイの歌声を聴かせて」は常に85点以上をキープし続ける感じなんですよね、2時間という長さを全く感じさせないのは、ただただ、感嘆するばかりです
そして、多くの映画館では今週末あたりで上映が終わってしまうという・・・
これは本当に映画館でお金払って大画面で見る価値が本当にあると思いますので
気になる方は是非ラストチャンスです。
見に行って損はない映画です
【ネタバレ感想】↓反転してください。
既に見た方なら多くを語らずとも「アイ歌いいよね・・・」「いい・・・」で通じるものとは思いますが
好きなシーンや、個人的に感じたこの映画の特徴などを書いて行こうと思います。
・好きなシーン
全部好きだ!ってのは前提として、海岸で夜の風車をバックに歌う場面やラストのビルとビルの間を通る際に周辺のAI全員がシオンを応援するシーンとかは映像美として素晴らしかった
ミュージカル部分としては柔道シーンが非常に好きです。あのセクシーな流し目で柔道乱取りとか、高校男子はやられますわ
音楽と歌と映像が三位一体で五感を刺激されるのは本当にこれが人間の娯楽だって感じがして良い・・・
細かい所で、幸せになるには王子様が必要と教えられてシオンがゴっちゃんを探しに行くシーンで
シオンが見つける前に後ろの方でお掃除ロボがゴっちゃんの方を見て笑顔になるんですよね
「あっ!見つけた!」って感じで
その直後にシオンが登場して、あぁー、お掃除ロボが探すのを手伝ってくれたんだなぁというシーンが細かい所ですが好きです。
・泣いたシーン
大きくは3つあって、シオンがおもちゃから脱出してからの8年間、ずっとサトミを見守り続けていたシーンはもうね、泣いちゃうよね
声もちょっとずつ人間に近づく演出とか本当に素晴らしい
この誰かの幸せを願う無償の愛って表現に弱いんですよね、個人的に近いと思ったのはヴァイオレットエヴァーガーデンの10話かな?
娘を思う母親の思いに近いものがあると思う。
2つ目はシオンがビルの屋上に到着してサトミと会話するシーン
サトミしあわせ?→幸せだよ→シオンは今幸せ?→私は幸せだったんだね
って、もうやばい、文字書いててもウルって来てしまう
小さなAIから始まったシオンがずっと叶える事・伝える事が出来なかった思いがついに終着駅にたどり着く
涙なくしては見れなかったですわ・・・これ・・・
3つ目は何といっても、映画視聴2回目
シオンの第一声「サトミ!しあわせ?」
もうね、これは多くを語らんでも良いでしょう。
泣くわこんなん、ふざけんな!いいかんげんにしろ!良かったなシオン!頑張れシオン!
・ミュージカル映画を超えたミュージカル映画?
この映画で特徴的だと思ったのは「映画の中でミュージカルが始まる意味」これにストーリーの根幹を絡ませた脚本の秀逸さだと思うのです。
ミュージカル映画というのをあまり見てないので、大げさな事は言えないのですが
ミュージカルアニメや映画って、どうしても「突然歌う」「突然皆が踊りだす」ていう不自然さはあるんですよね
もちろん、そうやって歌や踊りを交える事で生まれる感動や面白さは、些細な不自然さなんてどうでも良いと皆が思うからこそ
古今東西ミュージカル映画って作られ続けていると思うのです
ただ、この作品は1回目こそ突然歌う違和感バリバリのミュージカル映画なのですが
何故シオンが歌うのか、何故音楽が鳴り出すのか、何故ド派手な演出がされるのか
それら全てに理由とストーリーとしての意味を持たせ、「演出上の都合から脱却した」のはすごい事だと思ったのです
この点はまさに、ミュージカル映画を超えたミュージカル映画と言っても過言ではないかなと・・・
(あまり、映画を見る方じゃないので、アホな事言ってたらすみません)
・シオンは自我を手にしたのか
AIが自我を獲得する事を主題とした映画って結構あって、直近見た映画でも「フリーガイ」とかはAIが自我に目覚めて窮屈な世界から脱出を試みたり
攻殻機動隊のタチコマだったり、楽園追放のフロンティアセッターだったり、古い映画でもアンドリューとか
コンピュータープログラムだと思っていた存在が、自我に目覚めたり、人間性の一端を獲得したりする表現は結構昔からある表現で、結構人気ジャンルだと思うんですよね
一方で、この映画は2回目見終わった後も「シオンは自我を手に入れたのか?」という点には疑問符が付きます。
非常に人間らしいシオンではあるものの、最後の最後まで「サトミをしあわせにする」というトウマの最初の命令に忠実ですしね
途中トウマとの会話で「それは命令ですか?」と命令に従わない素振りもあくまで「サトミをしあわせにする」という一番重要な命令を実行するためのことですしね
AIが自我を手に入れるストーリーでよくあるのが、束縛からの脱出という感じだと思うのです。
「人間からの命令を拒否する」とかアンドリューで言えば「永遠の命である人工知能が死を望む」とか
コンピュータープログラムが架せられた檻から脱却する表現が、そのまま私達人間にとって「束縛からの脱却」や「人間性とは何か?」というテーマを描くのに親和性があるのだと思います。
ところが、シオンはこうした素振りは一切見せず、最後の最後までAIのまま衛星まで行ってしまいました。
ここは、今までのAIを題材にした映画とはかなり違う点で、AIをAIのまま表現した映画であったのだなと歓心してしまいました。
もちろん、最後の「私は幸せだったんだね」という幸せに気付くという表現は意見が分かれる所だとおもうのですが・・・
この作品の監督が今までAI物を作ってきた経緯をみると、今までの様な「AIが自我を獲得する物語」ではなく
あくまでも「AIと人がよりそう映画」なんだなと思いました。
今週末の土日どっちかは、もう一回見てみたいですね。
いやーーー、、、、これ本当に名作ですわ
この記事を読んで観にいきました。
かなり面白い。
私の中の評価は天気の子と同じぐらい。
ただ、若い子向けの映画だと思いました。
>三宅前六品
すみません、見逃してしまい、返信遅くなりました。
気に入って頂けて幸いです。天気の子は見た事がないので、今度見てみますね!