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翻意号令鍾会のデザインの良さと実践の難しさ

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指鹿為馬はよ
指鹿為馬はよ
タイトルにあります2コスト騎馬の号令鍾会、絵柄だけでなく総合的なデザイン全体が、大戦過去タイトル含めて最もよく鍾会という人物を表している素晴らしい仕上がりになっていると思っています。
どういうことかと言いますと、「本人は覚醒持ちでも、本人の計略に覚醒上昇による恩恵は殆ど無い」、寧ろ「他の覚醒持ち武将と併せて組むと征圧反転範囲が広がって計略のデメリットが増える」、そのため「鍾会が頭角を現すほど晋の主要人物たちにとっては害が増える」という、晋所属でありながら自らの野心の成長ゆえに晋に居場所がなくなる生き様を見事に表現しているその仕様ですね。エラッタで対象が勢力非限定になった事でより実像に迫りました。このカード1枚で本当に鍾会という人物が理解出来ると思います。
そこをいくと新しい方の鍾会は晋という国におんぶにだっこ感が否めない。新世創生って一遍〆られて生まれ変わって心を改めました的な意味なんじゃなかろうか。



そんなカードデザインと裏腹に、こいつを実用的なカード足らしめるには、環境云々以前の根本的な所でちょっと難しい部分があります。
「翻意の号令」の計略性能は「勢力制限無し、士気5で武力+6、効果時間8.3c、知力依存0.4c、効果武将の征圧反転」となっており、号令効果部分だけに目を向けるとかなり強力な部類に見えます。
しかし「征圧反転」という効果がテキスト上だけでは軽視されがちですが、実際に運用してみると思いの外重いデメリットとして現れてきます。

号令を使って攻めに回るとき、相手の自城近くで打つことが出来れば、大半の場合最低でも内乱一発は取れますよね?内乱ダメージは非常にざっくり言うと8~10%位のダメージになります。ですが「翻意の号令」で攻めるときは、征圧反転というハンデのせいでほぼ攻めの内乱が取れません。言い換えれば「間接的に最低8%のダメージをこちらが受けているようなもの」でありまして、「他の号令を使うときより8%分くらいは余計に殴らないと採算が取れない」事となってしまうのです。ちなみに8%強の目安としては、2コスト槍(特技攻城や赤将器無し)の深壁一発分くらいです。

また、号令デッキでよくやる「ラインを上げるために一発目を打ち、敵城前まで来たら2発目を打つ」ムーブをやると、進路上の直線を全て敵に塗られてしまう事になる上、端攻め対応等をしようとしたら下手をすれば「攻めているのにこちらが内乱を取られる」展開にもなりかねず、最悪16%ほどの城ダメージを献上する事態になります。
守りで打つ際も相手に上手くライン調整をされると、「お互い兵力はたいして減っていないのにこちらだけ内乱ダメを食らう」ような場合もあるでしょう。

一言で言ってしまえば「翻意の号令とは間接的に城ダメージを犠牲にする副作用を秘めている」計略だと言ってしまっても良いでしょう。それを考えると勢力非限定士気5+6という号令性能も、破格どころかむしろあって当然くらいに見えてきませんか?(流石に+7だと強すぎる感はあって調整が難しいですが)
この辺りをカバーするためにはやはり素武力と攻城力を高めたデッキ構成を考えるべきなのでしょうね。士気消費が軽い分、無理なく4回打てるのはメリットであります。しかしそういったカードで固めると重ね号令や超絶対策の妨害等を入れ辛くなるというのがまた悩ましい。攻城兵まで積むとなると「暴虐でよくね?」と言われてしまいそうなので、いかに其処と差別化を図るかも考え所ですね…。


色々難点を並べましたが、可能性は十分あるカードだと思います。
最終的に孤立して消えていってしまった史実を覆せるような、相方となり得る武将が現れてくる事を、個人的には期待しています。
作成日時:2020/06/04 22:55
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