~あらすじ~
長江を防衛戦に戦う呉のワンダースワン。
その、独自的な戦略性を見てみよう。
★★★★★★
『南船北馬』と言う言葉がある。
平地が多い北では移動に馬に乗るが、
南は長江を主とした水路を活用するので船が移動に必須だと言う事で、
中国でも南北では生活から軍事まで毛色が違う事の表れである。
さて、ではワンダースワンの戦略性である。
開発者の横井軍平氏の、
『枯れた技術の水平思考』は、最先端の技術も少し古いだけで安価になり、それをアイデア次第ではまだまだ活用出来る、と。
つまり、ワンダースワンは、価格は安価で、ゲームはアイデアで良いものを作っていくと言うスタンスである。
モノクロながら、乾電池は1本しか使わない省エネ志向で、
画面は他の携帯ゲーム機に比べて横長、
左には、上下左右の4ボタンが十字キーに当たり、同じものが左上にもついている。
これにより、ワンダースワンを横にして持つ事で、縦画面に対応したゲームでも遊べる仕様だ。
例えばビートマニアの様な、鍵盤に譜面が落ちてくるゲームは、横長の画面では上下が狭いのですぐに落ちてくるが、縦画面にすればアーケードゲーム佐ながらの感覚で緩やかに流すことが出来る。
他にもアーケードゲームでは、シューティングゲームなども縦型スクロールの場合は、
画面を縦にして提供しているがこれにも対応できる。
左の上下にある十字キーが、縦向きにはそのまま、左・十字キー、右・ボタンと変化出来るのだ。
こう言ったギミックに特化しているが、
逆に不必要として切られた部分もあった。
それは音声出力である。
ワンダースワンは、音割れしたようなノイズが入る様なチープなサウンド出力で、
ヘッドフォン端子もついていない。
別パーツとして、拡張端子のアダプターを買うことでイヤホンジャックを増設できる。
これは、ゲームに必要なサウンドを最小限に抑えると共に、大事なのはゲーム性だという横井軍平氏の信念の現れの様に思える。
また、電池消費を押さえる為でもあるのだろう。
あくまで最新技術を取り入れてきた次世代ゲーム機においては、ある種競合を避けるかのようなオリジナリティを醸し出すのがワンダースワンだった。
しかし、そう言うスタンスは消費者には伝わらない。
もっと分かりやすく、捉えられてしまう。
それがそのゲーム機の特徴になってしまう。
例えば、ネオジオポケットなら、
『ゲームセンターの対戦格闘ゲームが手軽に出来る』と言った感じである。
実際は、最大32人までの多人数対戦や、格闘ゲーム以外のジャンルも力をいれたりと努力しているが、
結局、求められるものも当初の『格闘ゲーム』のイメージに引っ張られるのであった。
ワンダースワンにおいては、バンダイとスクウェアの存在が大きすぎた。
これにより、ユーザーのイメージは、
『スーパーロボット大戦専用機でも買いだな』とか、
『スクウェアの名作だけでも集めたい』
と、既存ゲームに引っ張られる形になってしまった。
言わば、新機種ゲーム機に対する保険の様な印象だろう。
だがこれが、防衛線の様な形で、信用買いを呼ぶのである。
『バンダイであれば、ガンダムゲーが出る』
『スクウェアなら名作RPGが遊べる』
この事は紛れもないワンダースワンの主体性でもあり、また、それ以上の期待を持てない悲しさにもなった。
つづく
待ってましたの連載ものの続き。terrorがやりたくてスワンを買ったわたしは異端だったんですね…薄々感じてましたが…terror2は面白かったんですよ…この記憶は捏造ではないと信じたいです…
ワンダースワン持ってるともだちは、ひじょ~~~に少なかったですね…w
>金村保坂非道さん
テラーズは、ホラーサウンドノベルで、携帯ゲーム向きの名作でしたね。
ゲームボーイでも『夜光虫』があります。
今ではスマホにとって変わられましたが、ああいうゲームは、通勤や寝る前なんかにちょうど良かったんですよ。
>柱の男さん
ワンダースワンは、値段は安かったけど、同じお金でプレステのソフトを買うから、余程欲しいソフトが無ければ買わないと思います。
私は関西なので、京都や大阪のソフマップで激安で売ってたから買いました。