本日もミニ色紙を元にした小話と、そちらに登場する武将たちの裏話を公開いたします!
第十六回となる今回、ご紹介する色紙はこちら!
【律義者の休日】
張既が「この手に限る」と発案した親睦会のため、多くの将が一堂に会することに。
準備を担当していた李典は、早くに到着した馬騰・王基を出迎えた。
「おや、韓遂殿は一緒じゃないのか?」
「あいつは時間を守らないからな。王基を見習ってもらいたいものだ」
「時は万事の要。疎かにする事は感心できぬ」
王基の堅い口調に、李典と馬騰は苦笑を浮かべる。
「あくまで私的な親睦会なんだ。気まぐれな猛将たちをゆっくり待つとしよう」
……結局、全員が集まったのは翌々日だったという。
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この色紙に登場する武将たちは、こちらです!
まずは一人目、李典!
◆武将紹介
李典は曹操に仕えた武将です。
学問を好み、軍事や功績争いを敬遠していましたが、多様な書物に通じていることを曹操に買われて太守となり、官渡の戦いから本格的に参陣しました。
戦場では副将の役をよく務め、博望坡では伏兵の存在を看破し、危険な追撃に逸る主将の夏侯惇を諌めています。
合肥の戦いでは、不仲であった張遼と楽進に対し、「国家の大事に私情は挟まない」と協力を誓い、孫権軍を破って敗走させました。
◆裏話
李典は
「慎重で冷静、礼儀正しい副将。」というコンセプトを立てて
旧作の李典の衣装を意識して
「赤い頭巾と鎧を着用」という指定を盛り込みました。
猛将たちに悩まされる苦労人で、常に眉間にしわが寄っているイメージです。
しかし色紙ではリラックスしているのか、朗らかな表情をしていますね。
アーケード版のイラストは
「自陣内で敵の計略を察知したイメージ。」というシチュエーションで
「考えるそぶりをしつつ『閃いた!』といった表情」と指定を入れています。
ぽけっと版のイラストは
「馬上にて竹簡を広げて叫んでいる。」というシチュエーションで
前線に立つ猛将たちに馬上から策を提案している、緊迫感あるシーンになっています。
ちなみに李典が張遼と不仲だった理由については、
兗州を巡って争った際に、
張遼がかつて仕えていた呂布軍に叔父を討たれたためと設定しています。
李典と張遼の因縁は、義勇ロードの魏伝や呂布伝などで触れられています。
さらに今後追加される張遼伝でも、二人の諍いと雪解けが描かれる予定ですので、お楽しみに!
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続いて二人目、馬騰!
◆武将紹介
馬騰は後漢初期の名将の子孫で、子に馬超、馬休、馬鉄がいます。
若い頃は家が貧しく、木こりと行商に従事するも、立派な風貌で賢明だったことから、人々に広く敬われました。
異民族の鎮圧や李傕との騒乱をはじめ、西涼に危機が迫ると積極的に兵を挙げ、義兄弟の韓遂とも頻繁に対立し争いました。
曹操軍の鍾繇の影響下に置かれると、はじめは要請に応じて袁紹討伐などに参加しましたが、
曹操が時の皇帝を傀儡にしていることを憂い、後に暗殺計画を企てました。
◆裏話
賊や悪役が多い「群雄」ですが、その中では稀有なほど
真面目で義理堅い将軍というコンセプトでした。
異民族とのハーフということで、
金髪碧眼でダンディな外見という指定を盛り込んで発注しました。
のちに登場した張既や羅憲もそうですが、JUNNYさんには洋画の俳優のような外見の武将を発注しがちかもしれませんね。
どの武将の発注書にもセリフのイメージを書いて、作家さんにお渡しするのですが
馬騰のセリフイメージは
「俺がこの国を……そして西涼を守る!」という、落城勝利セリフとほぼ同一のものでした。
これは、開発が
最初から最後までイメージを調整する必要がまったくなかったということ、
つまりJUNNYさんが開発の意図を狂いなく汲み取ってイラストをご作画くださった証なんです。
第一弾の馬騰は、韓遂と一騎討ちをした時に特殊ボイスが発生します。
馬騰は曹操に処刑されたため、曹操との一騎討ちという案も浮かんだのですが
同じ作家さんに描いていただいている二人の関係を掘り下げることを優先しました。
仁義なき戦いを始めようとする韓遂に対し、
同じ報いを与えねばならないのかと顔を歪める馬騰……
機会がありましたら、ぜひご確認いただければと思います。
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そして三人目、王基!
◆武将紹介
王基は魏に仕え、司馬一族に重用された武将です。
王淩に見出されてよく補佐し、呉の国境付近に配属されると堅実に統治し、呉に侵攻を許しませんでした。
さらに、学舎の設置や農耕の奨励を行い、策謀と治政それぞれによって領民の心を掴みました。
毋丘倹・文欽の乱や諸葛誕の乱では、時に主君を諌めながら戦局を有利に導いています。
また弁論にも秀でており、曹爽一派の専横に対しては書を著して批判するなど、非常に多才な勤勉家でした。
◆裏話
王基は高い実力に対してマイナーで、担当者が密かに知名度を上げたいと思っていた人物の一人です。
発注書でも
「文・武・政すべて一流の、確実に戦果をあげられる将軍。」とベタ褒めして
文武両道、渋くて隙のないキャラクターになることを期待して、JUNNYさんに依頼しました。
あそこまで流行るとは夢にも思いませんでしたが……。
渋カッコ良い将軍ということで衣装の指定はあまり多くはありませんでしたが
武器に特徴を持たせようという狙いで
「武器は2本の長剣」という指定や
動きが映えるように
「兜の飾りには非常に長い毛があしらわれている。」といった指定を盛り込んでいます。
色紙の兜オフの姿を見ると
「ひょっとしたら地毛なのかも……?」と妄想が膨らんでしまいますね。
王基の声優は速水奨さんですが、第七回でご紹介した袁紹と同じく、
こちらも開発メンバーの熱い推しによるものでした。至るところで引っ張りだこですね。
あの声によって
「自他に厳しく、無欲で公正」といった性格がバッチリ現れていると感じています。
ちなみに毋丘倹と一騎討ちした時と、司馬昭を範囲に入れて計略を使用した時にボイスが特殊分岐しますので
こちらも機会がありましたら、ぜひ聞いてみてください!
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長くなりましたが、今回はここまで! また次回、お会いいたしましょう!
李典
「魏では多くの民が外出を控えているが、西涼ではどうなんだ?」
馬騰
「こちらも似たようなものだ。外出できないせいか、毎日息子たちが賑やかでな」
王基
「家族仲が良く、皆健やかであることは良きことだ。 孤児である我の目には、いささか眩しくも映る」
馬騰
「そうだな……仲を深める良い機会なのかもしれん」
李典
「皆のご家族は息災だろうか。会えない者も、たまには連絡を取るといいだろう」
今回の記事も楽しく読ませていただきました!
三国志大戦の渋くて格好いい王基が好きになって正史の王基伝も読んだほどだったので、大戦の設定が見れて光栄です。
そして若くして孤児になった設定もしっかり入っているんですね!
怪奇現象に巻き込まれた王基が管輅と論じ王基自身も占いを学んだ設定も入っていたりするのでしょうか…?とても気になります🤔
今後追加される張遼伝←
そうでしたな。将星伝の投票で選ばれたのでしたな。
馬騰が金髪だったのはびっくりです。碧眼というのも今気づいたw
もうちょっと武将カードをよく見ないと駄目ですな。