~あらすじ~
遂に、王道のゲームボーイの牙城に、ネオジオポケットが北伐を開始する。
その頃、ワンダースワンも、2国に対して皇帝に即位し、三国が鼎立するのであった。
★★★★★★
さて、ここで本体発売日時を振り替えろう。
1998,10,21 ゲームボーイカラー発売
1998,10,28 ネオジオポケット発売
1999, 3, 4 ワンダースワン発売
1999,3,19 ネオジオポケットカラー発売
2000,12, 9 ワンダースワンカラー発売
2002,7.12 ワンダースワンクリスタル発売
これを見ると、ネオジオポケットは当初、ゲームボーイがカラーになるのに、モノクロながらも携帯ゲーム機の次世代機をなるネオジオポケットをぶつけてきたのである。
そして、やはりカラーの必然性を感じて、急遽ネオジオポケットカラーを半年で発売。
これが買い控えを起こす元となった。
そのネオジオポケットカラーに、ネオジオポケットの轍を踏むが如く、モノクロで発売したワンダースワンだが、
結局はカラー版の必然性に駆られてワンダースワンカラーを発売。
ファイナルファンタジー同梱版で巻き返しを狙うも、発色が悪く、
しばらく後に発色をさらに良くしたワンダースワンクリスタルを発売する。
まずはハードの販売での激しいぶつかり合いがあった。
三社全てがカラーに至る結果となったが、ゲーム性をより拡げるには欠かせない要素であった。
一方でゲームボーイも、マイナーチェンジに近い様で、ややスペックがあがり、ドラゴンクエスト3に始まり、サクラ大戦、ビートマニアなどの音ゲーなど、多くのゲームの移植作や関連作を次々と投入していく。
開幕に『半年後にカラー版を発売する』と宣言したネオジオポケットの出だしはどうだったろうか。
店頭でテストプレイできるモニター台を小売店に設置してもらい、論より証拠とばかりに実物を評価してもらおうと試みた。
しかし、本体と同時に発売したソフトが弱く、
『キングオブファイターズR1』(以後、KOFR1)
『めろんちゃんの成長日記(ADK)』
『つなげてポン!』
『将棋の達人』
『ネオジオカップ98』
『ポケットテニス』
である。
この中で、取り立てて優秀なのはKOF R1位で、
ゲームボーイの時代もタカラからの『熱闘餓狼伝説』シリーズを始め、格闘ゲームの移植は多々あったが、とても遊べたものではなく、雰囲気を味わう程度であった。
カプコンが出したゲームボーイ版『ストリートファイターⅡ』でさえそうであるが、
ネオジオポケット版は、スピーディーな動きときちんとした操作性で、携帯ゲーム機ならではのディフォルメキャラで、オリジナルのゲーム性を確かに内包していたのである。
後にゲームボーイカラーでも、カプコンから『ストリートファイターアルファ2(当時最新だったZERO2の海外版)』が出るが、やはり物足りない内容だった。
本体性能を遺憾無く発揮できたのはこの、KOFR1位で、
確かに他のソフトも出来はよかったが、特筆してわざわざネオジオポケットでやるまでには至らなかったのである。
めろんちゃんは女の子を育てる育成アドベンチャー。当時はプリンセスメーカーを皮切りに、卒業、誕生などの育成ゲームが多く出た。
気軽に出来る携帯ゲーム機ならではではあるが、タイトルのインパクトだけであった。
つなげてポン!は、ゲーム内容は面白く、クリアする毎にポケモン的なモンスターカードを集めるのだが、特に集めるメリットが無く、かわいい主人公キャラたちがカードになった方が良かったのではないか?
特に、ゲームボーイなら『テトリス』、ゲームギアなら『ぷよぷよ』、ワンダースワンは『グンペイ』と、
それぞれ機種を代表する一世風靡パズルゲームがあるのだが、つなげてポン!では、この重責は重すぎたのである。
ポケットテニスも、ゲームボーイで『マリオテニス』が出ては、ユーザーがどちらを買うかは言うまでもないのである。
ハードと同時発売するゲームは、数あるゲーム機も開発が間に合わず、充分なキラータイトルが出せない状況はままあるが、
言わばネオジオポケットの出だしは、兵糧不足、兵力不足から始まったのである。
特に『ネオジオ』と冠していたことが、逆にユーザーの期待を過度に集める形になってしまっていた。
ゲームボーイカラー発売に当てるつもりだったのだろうが、もう少し待って数ヵ月後に発売する、
『サムライサピリッツ!』
『メタルスラッグ ファーストミッション』
を同時発売する位は欲しかった。
人材不足に悩まされる蜀の未来であったが、
ここからはまだ、諸葛亮の北伐の様に、
ネオジオポケット側が攻勢をかける2度のチャンスがあった。
それは、決して恥じることのない見事なものであった。
つづく
秋風五丈原。
後の蜀…もといSNKの未来を思うと涙なしには読めませぬ。
>うさまるさん
関西での販売エリアは営業さんが足で稼いだ功績があります。
三国志的には「治めた領民には慕われていた」みたいな感じですか。
開発もかなり頑張っているので、結果がどうであれ頑張りは評価されるべきだと思います。
GBの熱闘サムライスピリッツはデモ・文字表記なんかもしっかりしてて結構好きでした。
格ゲーのノウハウは豊富だからネオポケももっとそこを活かすべきだったんでしょうね(´;ω;`)
>おかかさん
熱闘シリーズは、一人で楽しむならまずまず遊べたゲームでしたね。再現度は頑張ってた。
後期の『熱闘リアルバウト餓狼』とかは初期よりかなり良くなってますよ。
でも、ゲームボーイのスペックでは格闘ゲームは厳しいですね。
カプコンのスト2も、グラフィックは完璧でしたが昔の大戦のラグみたいにドット絵がワープします。