史実解説ー費禕・董允についてー

こんばんは！ 燈蝋之斧です！

GWの最終日が来てしまいましたが、皆様休暇を楽しまれましたでしょうか？

私は三国志大戦やったり、絵描いたり、肉食ったり、漬物を漬け込んだり、横浜中華街で中華食ったりしてました。

あ、昨日の投稿でヤンデレ張春華さんを描いた後、寵臣推挙したら、やっぱり張春華さんが来ました。描けば出る、という奴ですね！ 

張春華さんへのお礼に、昨日投稿した絵をCERO撤廃版のモノに差し替えときました。興味がある方・覚悟の準備が出来た方は下からどうぞ↓

https://3594t-touen.jp/posts/84452


とまあ、前置きもそこそこに。今日は、前々からネタ出しをしていた、蜀の名政治家である費禕・董允の史実解説をしてみたいと思いまーす。あ、新カードで出た董蕨君も話の中にちょびっと出してみます。

また地味なメンツだし、多分そんなに面白い逸話ないだろうと思っている方に一言。ぶっちゃけ、費禕・董允については蜀書記載の連中の中でも面白い逸話がある人達です。

あ、ちなみに2人セットにしたのは、この2人は友人同士だからです。古くからの親友らしい。だから、逸話も2人出てくるモノが多いです。

では、はじめます。


①費禕（字名:文偉 生没年:？？？〜253年）
荊州江夏近辺出身。義父が劉璋と繋がりがあった事から、益州に行きました。劉備に仕えたのは、劉備の入蜀後。董允と共に、劉禅の補佐役を任されました。

彼を一言で表すならば多分、出木杉君が近い。天才肌の万能政治家です。銀河英雄伝説のシルヴァーベルヒみたいなイメージでも可。その場合、董允はグルック事務次官。史実の彼は地味な文官というより、コミュ力MAXの陽キャ感出てます。多分ヒイーとか言わない。

具体的な逸話をいくつか紹介しますね。


1、董允との力量差
費禕は尚書令時代、朝夕に莫大な量の仕事をしながらも毎日、宴会やら博打やら遊びまくってました。それでいて仕事は完璧にこなしてました。

蒋琬といい、蜀の文官酒好き多過ぎじゃない？ 呉に就職した方が良かったのでは？ 厨房的に。

董允が尚書令になった際、先任の費禕が遊びまくってたので自分も真似した所、数日で仕事が回らなくなりました。

費禕がおかしいだけで、普通はそうなる。

董允は「人の才能はこんなに違うのか。俺じゃあ、一日中仕事しても余裕ないのに」と嘆いたそうです。

あ、ちなみに私生活では割と清貧だったみたいです、費禕。友人付き合いを優先して、博打やら飲み会やってた感。

流石、陽キャは違う。


2、呉訪問の際、孫権に褒められる
費禕は蜀文官がよくやる孫呉訪問も、若い頃に行なっております。孫権とも面識あり。酒飲まされたんかな？

その際、呉の諸葛恪らが費禕に論戦を挑んできましたが、費禕は腰は低めに丁寧に、それでいて正論を述べて最後まで論破されませんでした。

これを見た孫権は、費禕を高く評価し、すぐに蜀の中心人物になるだろうとコメントしました。

若い頃は人を見る目あったのに……。

事実、彼は最終的に諸葛亮・蒋琬の後を継ぎ、大将軍にまでなってます。だから、孫権は正しい。


3、曹爽来襲時に囲碁プレイ
諸葛亮死後の244年、彼は大将軍になっていました。その際、魏の頭爽やか野郎が蜀に侵攻して来る珍事が発生しました。

当然、軍の最高指揮官として迎撃準備をする費禕。そんなクソ忙しい時に、囲碁仲間の来敏がやって来て、当分勝負出来なくなるから囲碁打とうぜ！ と費禕を誘います。費禕もこれを受け、対局開始しました。

勤務中にゲームが出来るホワイト企業、蜀。

でまあ、囲碁始めたはいいものの場所は陣中。当然、めちゃくちゃ慌しい。最初は普通に打っていた来敏も次第に周りが気になって、そわそわし始めました。対して、費禕は周りを気にせず落ち着いてました。

結局、周りに気圧された来敏が投了。その際、費禕に今回の囲碁は費禕を試すために誘ったと言い、こんだけ落ち着いてたら前線に出ても大丈夫だろう、とコメントしました。

戦の結果は、頭爽やか野郎を撃退し蜀が勝ちました。

親父だったら、こうはならなかったろうに。


と、費禕の人柄はこんな感じです。万能チートでしょ？

でも、彼にも欠点が有りました。それは、陽キャ過ぎて軽率な所が多々ある事。

最終的に彼は、魏の降将郭循に宴会で酒に酔った所を狙われて、刺殺されました。テロですよ、テロ！

蜀は費禕を失った事で、これ以降凋落の一途に。真の暗黒時代襲来です。

あ、ちなみに三国志大戦のイラストで費禕が高い所に登ってるのは、民間伝承で費禕が鶴に乗って黄鶴楼で休んだという出来事に由来してるっぽいです。意外と芸が細かい。


②董允（字名:休昭 生没年:？？？〜246年）
劉禅のダメ出しキャラで有名な董允。史実もまあ同じです。劉禅の補佐役から彼のキャリアが始まってます。費禕が天才肌なら、董允は秀才キャラかな？ 人格は多分、董允のが評価されてますね。

何故、彼が劉禅のダメ出しキャラになったかと言うと、他に諫言する人がいないから。諸葛亮信任組（費禕、郭攸之、董允）は、費禕は北伐、郭攸之は大人しくて素直で純朴だから強く諫言出来ないので、必然的に董允がダメ出ししないといけないのです。

郭攸之は女の子かなんかだったのだろうか……。

だから、劉禅が後宮広げたいとか言った時はダメ出し。黄色い宦官を重用しようとした際も、ダメ出ししました。

彼の死後、劉禅が暗愚モード全開になったため、人々は皆董允を思い出して、嘆いたそうです。

最後に董允の人柄がわかるエピソードを載せて、終わりにしてみます。


1、来客を丁寧に扱う董允
ある日、董允が費禕達との飲み会に参加するため自宅で馬車を用意した事がありました。それでまあ、準備万端となり、いざ発車！ という時に、年少で官位の低い董蕨君が適材適所で董允宅にワープしてきました。目的は表敬訪問。ただ、かなり間の悪いタイミングでした。


↓以下、超意訳（一部、ロジカル語法）

董蕨「タイミング悪くてごめんなさい。出直してきます」

董允「ヤケモーニンwww んんwww 折角、貴殿が来てくれたのに、異教徒の飲み会を優先するとかありえませんぞwww ヤーティ神に従い、今日は儀式を行う以外ありえないwww」

……董允の人柄が間違って伝わりそう。

……いや、董允ってロジカル語法似合いそうだなって。

と、車の準備をやめて、董蕨を家に招き入れたそうです。

華陽国志では董允を周公旦の徳有り、と評しています。


※周公旦:周の時代の名宰相。周公旦は家に客人が来ると、湯浴みしていたら濡れたままの髪を握って会い、食事中であれば食べ物を吐き捨ててでも、客人を待たせなかった。



……と、まあこれくらいで史実解説終了！

他にも逸話は有るのですが、流石に長文になるので。

費禕、董允は私の好きな文官です。蜀によくいる清貧系武将ですからね。……というか、金持ちキャラ糜竺以外いないな。もしかして、単に蜀が貧しかっただけなのか？

次回は今の所、未定です。最近、列伝形式多目だったし、次はまた違う形式の書くかなー。

長文失礼しました！

では、さらば！