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史実解説ー卞皇后についてー

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燈蝋之斧
燈蝋之斧
こんばんは!燈蝋之斧です!

最近、何かと新元号の話が多いですが、私としては令和って結構良いと思っております。うん、史実解説とか勝手にやってる訳だし、史書からの引用とか好きなんだ、私。

あ、でも私が元号つけるとしたら迷わず、文長とつけますけどね。治世が長く続く願いを込めて、とかでっち上げてね。

将来、叛逆世代とか揶揄されそうなネーミング。

と、時候の挨拶もそこそこに本題に入りましょう。

今回は、春涼さんから以前リクエストのあった卞皇后について、史実解説をしてみます。

この人に関しては、正当王朝扱いの魏の人物なだけに結構逸話は豊富。蜀の人物の伝が下手すれば、1ページ位の中、卞皇后は8ページ位あります。(※ちくま学芸文庫 魏書による)

だから、今回は話も広げやすいです。やったね!

では、始めます!


卞皇后(160年〜230年)
私の評価では、三国一立派な皇后。甘皇后が好きな私も、卞皇后には頭が上がらず。ぶっちゃけ、卞皇后が生きていたら自分は御者で良い(司馬遷並感)

ベタ誉め
していますが、ぶっちゃけ彼女には非の打ち所がない事実。だって、逸話が全部聖人エピソードしかないんだもん。禰衡や孔融でもなきゃ、disるのは無理です、はい。

曹操との結婚は、彼女が20歳で歌妓の時。年の差は、曹操より10歳位下だったそうです。子供は、曹丕・曹彰・曹植・曹熊で、他にも母のない曹操の子を育ててました。あと、彼女は質素で倹約家だったそうです。

もうこの時点で聖人感あるでしょ?

ちなみに、彼女のぐう聖エピソードはこんな感じです↓

自分を軽んじていた丁夫人と仲良くなる
出征する老兵に絹織物を下賜、涙する
身内贔屓はしない

①については、名門の出でプライドの高い丁夫人に対し、常に敬意を払い、丁夫人が離縁されて自身が曹操の正室になった後も彼女を気に掛け続けたというもの。曹操不在の時を見計らって、郷里に帰った丁夫人に贈り物をしたり挨拶したりと甲斐甲斐しく接しました。最初は身分の低い卞皇后を馬鹿にしていた丁夫人も、彼女の誠実さに胸打たれ、最終的に感謝し、仲良くなります。

②については、卞皇后は出征する兵士を見送る際、白髪混じりの老兵を見る度に、涙ながらに手を取り、両親が死んでしまって可哀想だと絹織物を渡したという逸話に由来します。

③については、常々彼女は身内に対し倹約に努める様勧め、仮に罪を犯したとしても自分は救わずに、むしろ厳罰を与える様にする、という話に由来します。


道徳の教科書レベルで聖人ですね。

袁紹・劉表・孫権の正室がこうだったら良かったのに……。



私の知る限りでは、このレベルのぐう聖は前漢の薄太后位しか思い付きません。呂后の政治を聞いた藩夫人は反省した方が良いです。

ちなみに、彼女は曹丕が立太子された際、周りがお祝いしようとしたのを抑えこう言いました。

卞皇后「曹丕が立太子されたのは、単に年長だからです。自分はただ、教育がなってないと言われないだけ幸せです。お祝いする必要はありません」

これを聞いた曹操は大いに喜び、腹を立てても顔に出さずに喜んでも節度を忘れない事は最も難しい、と卞皇后を褒めました。

こういった経緯もあり、219年に彼女は皇后(当時は魏王国なので正式には王后)となりました。

とまあ、こんな感じです。

個人的に思うのは、卞皇后も立派だけども、彼女を選んだ曹操も立派だという事です。単に寵姫を選ぶのではなく、国母足るに相応しい女性を皇后に立てたのは当たり前ですが、立派です。それが出来ない君主のなんと多い事か。

誰とは言いませんけどね。

こういう所は、流石に人物眼のある曹操って感じですね。女遊びと国の経営を混同しないのは、凄いです。卞皇后も、曹操の側室を害してないし、凄い。覇王の妻に相応しい度量を持った女性と言えるでしょう。

個人的に卞皇后は好きですが、どちらかと言うと尊敬の念が強いです。私にしては珍しくベタ誉めですが、これはもう一般人がナイチンゲールを敬愛するようなノリだと思います。

三国志大戦での彼女の印象は、3の時の落日の舞が私の中で大きいです。アレ、決まると凄い楽しいんだ。イラストも卞皇后感あって好き。あ、今の変化卞皇后もイメージに合って好きだけど。

以上、史実解説でした! 単独解説だったので、逸話の割に短かったですかね? 甄氏も抱き合わせで解説すれば、良かったかなぁ?

次回は……どうしよう。張春華→蜀の妻達→卞皇后と来たから、次は呉の徐夫人・歩皇后あたりかなーと思ってはいるけど。個人的には、蜀のややマイナー武将(張嶷・馬忠・張翼)あたりもやりたい感。あ、リクエストあれば参考にします笑

では、失礼!
更新日時:2019/04/03 23:46
(作成日時:2019/04/03 23:29)
コメント( 13 )
13件のコメントを全て表示する
燈蝋之斧
燈蝋之斧
2019年4月4日 23時41分

>>春涼さん
自分も興味あったので、投稿しました!
落日復刻良いですねー。今出たら、城やら城門将器あるし強くなりそうです。

曹操自身、立身出世したのは年取ってからですから、その関係もあるかもしれません。
蒼天航路の卞皇后は良いキャラでしたね。
曹昂居たら丁夫人が皇后だったかなぁ……。でも、卞皇后は上手くやっていけそうな気がします。
>>熊田薫さん
女性の中では屈指の器量ですね。
また、よろしくお願いします!
>>おかか容疑者さん
むしろ、劉氏が怖すぎるのですが……。
側室殺害はまああるとしても、頭丸刈りで刺青までやるのは、ちょっと恐ろし過ぎますよ。

楊狐
楊狐
2019年4月6日 13時41分

今回のエピソード紹介も良かったです🐘
蜀のややマイナー武将(張嶷・馬忠・張翼)←気になりますなw
リクエストというと簡雍が気になりました。人物像もそうですが、特に、その立ち位置。
関羽、張飛のような義兄弟とも諸葛亮などの忠臣とも違う。
若い頃からの旧知の仲。朋友にあたるのかな?
ただ、この朋友という言葉も、中国人からすると単なる「友人」関係よりも
もっと濃い友人関係らしいですな。

燈蝋之斧
燈蝋之斧
2019年4月7日 11時53分

>>楊狐さん
お褒め頂き、ありがとうございます!
蜀末期武将は結構自分も好きなので、書きたいと考えています。
簡雍は幽州出身で、劉備とは同郷ですね。詳しい事はまた、どこかで書きたいですが、劉備にとっては旧知の友人みたいなモノですね、彼。劉備には気安く接しても問題ないし、割と曹操にとっての夏侯惇的存在だったのかもしれません笑

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