(茶番のみ)
(※まじもんの二次創作だから史実好きな人はほんとに見ない方がいいです)
(※いつものノリです)


「うぇー……ピーマンは食いたくねーです」

「鈴ちゃん、食べないとおっきくなれないよ?」

「うー……」

夕食中、皿の上の唯一残った緑の悪魔を箸でつつきながら消えてくれないかと願い続けているのかもしれないが、生憎私の作った野菜炒めはそんなことは起こらないよ

「趙氏ねーちゃーん……」

「鈴、ちゃんと食えよ」

「ちょーぎょくー……」

「ほら、肉やっからこれと一緒にまとめて食えよ」

「うー……」

仕方ないとばりぼりと肉と一緒に食べた鈴ちゃんは嫌そうな顔をしてそれらを水で流し込んで

「ごちそーさま!」

と言ってから器を重ねてから自分の部屋に帰っていった

「はーい、ごちそうさま」

「あいつも嫌いなもん残すなら最初から食えばいいんだよ」

「張嶷様は肉最後に食べてますよね」

「なんであれ好きなもんは最後にとっておくからな」

「けど、鈴ちゃんにお肉食べられちゃいましたよ?」

「まだあるんだろ?」

「えーと……」

「おいおい、マジかよ」

ごめんなさい、もっと作ればよかったな……




「伝令ー!」

「おん?」

こんな時間に伝令?
よくみたら魔王様の軍の人だった、なにかあったのかな?

「………ん、わかった」

「なにかあったんですか?」

「魔王さんが昨日のたい焼きに当たったらしい」

「え!?」

厳氏さんのたい焼きは美味しいけど、10個に一個毒が入ってる
まわりの皆が美味しそうに食べてるなか、自分だけ毒が当たるのを、厳氏さん曰く「まわりの皆があなたの敵よ」……だそうなんだけど、よりによって魔王様が

「次の戦で援軍要請されたから、行ってくる」

「私もお供します!」

「趙氏は待ってていい、他の奴らは元気にしてるみたいだし」

「ですが……!」



もっと、望んでほしい
私を必要としてほしい
けど、我儘だとわかっている



「……いえ、なんでもないです、無理はしないでくださいね」

「おう、ウガンマンとか波才にも伝えといてくれ」



そのまま貴方は夜の闇へと消えていった









「……はぁ……」

あれから一週間、なんの返事もない

無事なのだろうか、私もやっぱりついていくべきだっただろうか

「おーい」

「!」

玄関から人の声がした、帰ってきた?

「趙氏、元気してっカ?」

「……ウガンマンさん」

「こういうときぐらい名前で呼んでくんねーカ」






「え、じゃあ明日戻ってくるんですか?」

「あぁ、伝令が飛んできたガ、趙氏のとこには来なかったのカ?」

「えぇ、全然……」



この胸騒ぎはなんだろう、なんで私にだけ来ない?
もしかして……いや、やめよう、そんなこと、考えたくない

「……あんまり気にしなくてもいいんじゃねぇカ」

「い、いえ……気にしてなんか」

「はっは、顔に出てるカらな」

多分、私の顔、すごいことになってるんだろうな










その日の夜は、なにもしたくなかった

ウガンマンさんが鈴ちゃんを預かってくれたおかげで家事とかは最低限ですませて、布団に潜った

「…………うぅ」

思い出すのは、昼のこと

私にだけ連絡が、こなかった

なんで?  私のことなんとも思ってない?
いや、むしろ……

夜の闇は怖い、昼の時はやめようとしてやめれた思考回路が、夜は止まらない


涙が、溢れる
枕に顔を押し付けても、涙が止まらない



なんとか、思考回路をショートさせて考えるのをやめた私は明日全て聞こうと思い、眠ることにした


(ようやく、会える…その時に、全部聞こう……聞ける、のかな……?)





「帰ったぞー!」

「………へ?」


私、眠ってた?
そんなはずない、枕は涙で濡れている

「趙氏ー!  いるかー!?」

「は、はい!」


わけがわからない、慌てて部屋を飛び出した

「張嶷様!?」

「趙氏!」

私があなたを見た途端、視界が真っ暗になった

「趙氏、わりぃ、伝令送る時間がなかったわ」

「え、あ、あの」

私、今張嶷様に抱き付かれてる……?

え、え、え!?

「ウガンマンに送ったはいいけどそのあと魏延にいちゃもんつけられてて時間なかったんだわ、ほんと悪い」

「あ、あの!?  張嶷様!?」

「なんだよ、今嫁さん抱き締めてんだから言いたいことあるなら後にしてくれよ」

「……!」

何故かその言葉に冷静になれた

張嶷様、あったかい
張嶷様の熱が、私に伝わっていく


「………」(ぎゅむ

「趙氏?」

「今旦那様をぎゅってしてるんでふ、いい、たいことある、なら、あとにし、で、ぐだざい!」

「……おうおう」

私も貴方に熱を感じてほしい

ねえ、教えて?

貴方に熱が伝わる場所……









「あの、ウガンマンさんから聞いたんですけど、明日じゃなかったんですか?」

「……?  あいつに伝令送ったのが昨日だから、昨日の明日で今日だろ」

「」

日付を勘違いしてたのかな、やっぱり知力2は知力2なんだ

「にしても、ごめんな、遅くなって」

「そうですよ、なんで私に伝令を送ってくれなかったんですか!」

「そりゃ、好きなやつに送る伝令は、最後にしてぇからな」

「………もうっ!」





心配事は、稀有に終わった
それ以上に、貴方のことが少しだけわかったかもしれない

これからも、よろしくね、旦那様♪








(※この茶番であなたの脳に深刻なダメージが入る可能性があります)

 
更新日時:2018/01/12 20:16
(作成日時:2018/01/12 20:16)
コメント( 7 )
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しろからす
しろからす
2018年1月12日 23時38分

史実好きだけど脳の別腹(?)で読んでます。

おかか容疑者
おかか容疑者
2018年1月13日 7時13分

この二人はこれでええんですよ!
お腹いっぱいですわもう。ありがとうございます。

天心十五@ハコニワ筆主
天心十五@ハコニワ筆主
2018年1月14日 4時48分

(茶番系はコメントまとめさせてちょんまげ)
皆さまコメントありがとうございました!
魔王様の毒に関しては気が向いたらやるかもしれません

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