「おとうさんがやってる、カラスのゲーム、ぼくもやりたい」
と、大戦動画を見ていた4才の息子がそう呟いたことにより、一瞬息子がデッキを操りながら全国対戦でガンガン連勝を貫き、まさか対戦相手も小学生以下の子供がやっているとは思うまい…という英才教育の果てのビジョンを脳裏の裏に輝かせたが、そんなことは杞憂に他ならないので現実を見ることにした。
「おとうさん、どっちがわ?」
画面を見ながら息子が尋ねたので、お父さんは左側だよー、と教えつつも、何癖付けて動画を閉じようとしたとき、息子が画面を指差した。
「このゲーム、おうちをこわすの?」
画面の奥を見ながら不思議そうに首をかしげる息子は、落城寸前の、燃え盛る炎と瓦解した城壁の相手の「城」のことを指示した。
…せっかく興味があるんだから、ここで無理やり話しを折るのも可哀そうかな、と思い、もう少しお話を続けてみた。
「そう、おうちを壊すゲームだよ。お名前が書いてある下に、緑色の線があるね。これがなくなったらば、おうちが壊れちゃうんだ」
「おとうさんのは、まだいっぱいある?」
「…まあまあ」
「おうちこわれたら、まけ?」
「うん。だから、おうちが壊されないようにカラス(蹋頓)とか女のひと(雛氏)とかで守ったりするの」
「カラスは弓打つの? これは(区星を指差す)?」
「攻城兵…あ、いや…解体機! これでおうち壊すの!」
「かいたいき! ブルドーザーは? ロードローラーは?」
「ない…お馬さんとか、剣持ってたりとか、弓とか、槍とかはあるけど」
「キューレンオーとかシンカリオンとかエグゼイドは?」
「」
ニヤニヤしながら嫁さんはその話を聞いていたが、何にせよゲーマー夫婦の息子。こやつがゲーマーにならないわけがない。
あぐらをかいた私の膝の上で、興味深々のまなざしで三国志大戦を見つめる息子が、今後どうなっていくのか…楽しみであります。
とりあえず、変なことは教えないでおこう。