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帰ってきた漫画の話#9 雑兵物語 明日はどっちへ

by
楊狐
楊狐
今月も今日で終わり。

恒例の帰ってきた漫画の話をしようと思います。


基本ルール
・自分がその月、気になった漫画を購入し紹介
・自分が武将コラボを希望する漫画を紹介



ご紹介する漫画はこちら




雑兵物語 明日はどっちへ 
著 やまさき拓味

リイド社 SPコミックス 既刊1巻


あらすじ

国は乱れ、農村地では賊による掠奪が横行した。
稼ぎ手である男たちは法を犯すか、下級士卒……
「雑兵」になって戦に出向くしか無かった。
ここに「春」と「捨丸」、二人の若き雑兵が誕生する。
政治も名誉も知らぬ雑兵は天下を夢見て歩き出す。

単行本背表紙より

©やまさき拓味
©リイド社 spコミックス



「転がる石には苔は生えねぇ」
本屋でたまたま見かけ表紙買いした一冊。表紙を見ての通り白黒で描かれており逆におや?っと目を引きました。
時代劇漫画誌コミック乱ツインズという非常に渋い雑誌で連載中。
表題でもあり、あらすじにもあるとおり若き雑兵の捨丸のふたりが主人公で劇中の言葉転石苔は生ぜず
(てんせきこけはしょうぜず)の言葉通り様々な戦場を転がり、節操なく条件の良い方へと味方に付く。奇麗事ではない。骨太な人間模様が描かれております。
大まかな話の流れとしては義も節操もなく民の為に。
自分を兄貴と慕うを天下人にするべく捨丸は奔走するのですが……。
内容も武田勝頼、徳川家康、織田信長など様々な勢力に属しつつも、勝ち馬に乗って転がる石のようにその都度、勢いのある側について行く。義のために亡くなる侍の姿を見たり、自分たちをはめて恩賞をもらう雑兵を見たりと戦国、戦場においての人間の弱さ、醜さが十全に伝わって来ます。
エピソードを重ねるごとに二人が少しずつ歳を重ねていくのも深みがあると思いました。

これまで紹介してきた漫画の場合、すでに名のある武将が表題や主人公であったりしましたが今回は全くの無名。というかもしかしたら何者かになり得るふたりなのかもですが、それでも何処かに所属して出世していくのでは無く。
名も無き雑兵として戦場を転々としていくというのはこれまでの漫画紹介では類を見ないと思いました。
タイトル通り雑兵で終わるのか、それとも天下人へと駆け上っていくのか今後が気になる作品です。


第三者の主人公たちから語られる歴史物語
作品のジャンルとしてはオリジナルの主人公と歴史上の人物との絡みがあり、実はこのような人物がいたけど……。
のようなifの歴史ストーリー漫画もあったりしますが、未だそうした有名武将とも絡みも無く。
ただ、ただ雑兵の日常や戦場での泥臭い戦い等、雑兵視点での生活のみが語られている本当に雑兵物語というべき漫画です。
戦国のスポットの当たらない人々の暮らしが描かれている感がありますな。
派手に描かれた武将の活躍とはまた違う、視点を変え地に足の付いた物語でもあると思いました。
そうした物語に魅力を感じられた方はぜひ、手に取ってみてください。

再見
作成日時:2022/09/30 12:59
コメント( 2 )
ぶりんこ
ぶりんこ
9月30日 14時42分

「優駿の門」の方ですね。へぇー、競馬漫画以外のジャンルも書いてるんだぁ…、と思って検索してみたら他に「さんごくし」って本当に三国志の漫画も書いてるのを発見しました。びっくり!

楊狐
楊狐
楊狐
9月30日 16時10分

ぶりんこさんコメントありがとうございます。
そうです!
優駿の門は読んだことなかったりしますが(オイ!)タイトルや絵柄は知っていてもしかしたらと思ったらそうでした。
「さんごくし」もそうですな。検索で自分も知りました。
経歴も長くて巨匠ですな。

ぶりんこ
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