本日もバレンタイン~ホワイトデー特別企画として
ミニ色紙を元にした小話と、そちらに登場する武将たちの裏話を公開いたします!
第三回となる今回、ご紹介する色紙はこちら!
【夏祭りの夜】
空は花火、道は提灯、夜は祭囃子で彩られて昼のような明るさだ。
りんご飴を左手に、綿飴を右手に持って、董白は屋台の間を行く。
――ふと、通行人に肩が触れそうになった時。董白の袖を引く者がいた。
董白よりも少しだけ高い背丈。劉夫人は慈母のように微笑み、りんご飴を持つ。
空いた左手に彼女の右手が重ねられ、何も言えず綿飴をはむはむと食べる。
少し熱い頬に、ひやりと冷たさが走る。振り返ればラムネを持った楊艶がいた。
どどん。じゅーじゅー。夏風に乗って、太鼓の音と香ばしい匂いが三人の元に届く。
明るく熱い夏の夜。眠りにつくにはまだ早い。
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この色紙に登場する武将たちは、こちらです!
まずは一人目、董白!
◆武将紹介
董白は董卓の孫娘です。
董卓は献帝を傀儡にして都を恐怖に陥れ「魔王」と恐れられた存在でしたが、自身の権勢を確立するため、生母をはじめ身内の者に勝手に領地を与えました。
董白も例外ではなく、幼くして渭陽君に封ぜられ領地を与えられたといいます。
この時すでに将軍を部下として従えていましたが、彼らは董卓の不興を買うことを恐れて董白を恐れたとされます。
◆裏話
第一弾の董白に関しては、以前に下記の記事にてご紹介しましたね。
https://3594t-touen.jp/posts/119092
あちらが隙の多そうな性格なのに対して、第三弾の董白は
クールでドライな性格に設定しており、
さらに概要書には
「わがまま。→あれこれ要求するタイプではなく、気に入らない=消す、というタイプ。」と書いています。
ぽけっと版のカード裏セリフ
「つまんない。処刑」が最も端的に性格を表していますね。
年齢は12歳ほどですが、クールで大人びた雰囲気を出すために、肌露出多めでややセクシーな衣装になるように依頼しました。
一方で、幼さを盛り上げるために
「骸骨をデフォルメしたぬいぐるみを持っている。」という指定を入れたり、
アーケード版のイラストでペロペロキャンディを持たせているのも、年齢感と性格のギャップの演出です。
機嫌を損ねると、背景のガイコツくんのように飴ではなくナイフをグサグサされてしまいます……。
今回の色紙の元ネタとなったのは、Ver.3.0稼働中に華装武将として登場した董白です。
元イラストとは打って変わって露出を抑えた浴衣姿になりましたね。
外見とシチュエーションはそれぞれ
「うなじの眩しい浴衣姿。」「リンゴ飴を片手に、なんだかんだ夏祭りを楽しんでいるイメージ。」といった具合です。
クールなのでわかりづらいかもしれませんが、これでもかなりご機嫌なんですよ。
……機嫌を損ねたら花火のように打ち上げられてしまいますが。
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続いて二人目、劉夫人のご紹介!
◆武将紹介
劉夫人は、曹操の最初の正室です。
後に曹操の命を救う事となる長男の曹昂のほか、二男・曹鑠、長女・清河公主の三人を生みました。
しかし早くに世を去ってしまったため、子供たちは後に正室に立てられた丁夫人に預けられ大切に育てられました。
◆裏話
劉夫人は早くに亡くなったこともあってマイナーな人物ですが
「頭角を現す前の曹操の妻」というコンセプトでイメージを練っていきました。
キャラクターイメージには外見の他に
「見た目は15歳くらいだが、夫人らしく大人の落ち着きを持っている。」と書いています。
若いながらも、大志を持つ夫を慕い支えようとする良妻の趣が出ているのではないでしょうか。
アーケード版のイラストは
「大きな赤い羽根を、一本大切そうに笑顔で持っている。」というシチュエーション。
この赤い羽根は、夫・曹操をイメージしたものです。夫婦の絆を表そうという狙いですね。
ぽけっと版のイラストは
「室内で薬湯を手に、優しげな表情でこちらを見ている。」というシチュエーション。
若くして世を去った人物なので病弱要素を盛り込みつつ、家族に心配をかけまいとする気丈さも表しています。
ゲーム内では計略ムービーがありませんが、諸々収録はしてあります。
計略ボイス
「あなたが天高く、はばたけますように……!」が、そもそも曹操へのセリフのようなものなので
実子の曹昂が対象の時に
「代わりに見守って。覇道の行方を……」という特殊ボイスを使おうとしていました。
予備として
「温かくしないと叱られちゃう」と少し嬉しそうな声音のボイスも収録しています。
叱るのは曹操でしょうか、曹昂でしょうか。どちらにせよ普通の家庭のような温かさが感じられますね。
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そして三人目、楊艶!
◆武将紹介
楊艶は司馬炎の皇后で、楊芷の従姉です。
夫婦仲は良かったものの、後年の司馬炎が女色を好むようになったためか、嫉妬深い性格でした。
郭槐らの働きかけにより賈南風の立太子妃に貢献し、司馬衷が皇太子の座から降ろされそうになると、賈南風と結託して後継者の座を守り切りました。
臨終の際は胡芳に寵愛が移ってしまうことを嫌がり、楊芷を次の皇后に立てるように司馬炎に懇願したといいます。
◆裏話
楊艶は、その名の通り
妖艶な女性として設計しました。
「ふさふさの睫毛に垂れ目がちな色っぽい瞳、ふっくらした唇。ウェーブがかった長い髪。グラマラスな体型で、豪華な刺繍が施された露出度高めの服を着ている。」
……などなど、妖艶さに全振りしている概要書になっています。
イラストで表しにくい嫉妬深さに関しては、ボイスで補う方向で進行していきました。
シチュエーションも
「皇帝の玉座にしなだれかかり、妖しく微笑んでいるなど、妖艶さ全開なイメージ。」と指定しました。
実際のイラストでは司馬炎の隣に侍り、誘うように手招きしているように見えますね。
こんな具合で妖艶さ推しな楊艶ですが、色紙イラストでは董白に対して優しげな母(あるいは姉)のような表情を浮かべています。
実は従妹の楊芷に対しても、このように優しい姉だったのかもしれません。
せっかくなので楊芷のお話もしていきましょう。
楊艶が大人っぽくて妖艶なのに対して、
楊芷は小柄で健康的な元気っ子として設計しました。
ですが「素行の悪い賈南風を庇ったり諌めたりしたにもかかわらず、逆恨みされた」という史実があるため、
頑張り屋なのに報われない子という特徴も持たせました。
「がんばったのにぃ……」
義勇ロードの賈南風伝でも楊芷の不憫イベントが用意されています。彼女のファンの方は是非一度見て……いや、見ないほうが良いかも……。
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今回はここまでです! また次回、お会いいたしましょう!
董白
「焼きそば、たこ焼き、焼きとうもろこし……」
楊艶
「お祭りの日には、普段とは違うものが食べられますわね。ほら、チョコバナナやベビーカステラなんてものも並んでいますわよ」
劉夫人
「ソースの香ばしい匂いとは打って変わって、甘い香りね……董白ちゃん、何か食べたいものはある?」
董白
「……全部。甘いお菓子、買い占めてくる」
楊艶
「行ってしまいましたわ……あの子なら本当に、屋台ごと買い占めてきかねませんわね。食べきれるのかしら?」
劉夫人
「大丈夫。せっかくのお祭りだもの、子供たちを集めて宴を開きましょう。きっと賑やかになるわ♪」