本日もミニ色紙を元にした小話と、そちらに登場する武将たちの裏話を公開いたします!
第十五回となる今回、ご紹介する色紙はこちら!
【乱世の孤狼、於夫羅】
ある者は南匈奴の王と呼び、ある者は賊と呼ぶ。
しかし彼が祖国を追われた身であることを知る者は少ない。
人知れず反逆者に国を奪われ、盗賊に身を落として
「漢を荒らす賊徒」と揶揄されながらも戦火の中を生きている。
だが、彼は王である。
泣き言を漏らすことも、吼えることもなく、他者を従える存在である。
唾棄すべき弱者と同じ道は辿らぬと心に誓い……
誇り高き狼は、今日も乱世を行く。
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この色紙に登場する武将は、こちらです!
◆武将紹介
於夫羅は南匈奴の王子です。
黄巾の乱では漢朝方の援軍として活躍しました。
やがて反逆者と異民族討伐のため、詔勅により徴発されると、主将として兵を率い参朝しました。
しかしその間に国元の父が謀反で殺され、部族は分裂。
漢朝の動乱も重なり、王位を継いだものの反逆者に自国を奪われてしまいました。
数千騎の盗賊団となった於夫羅は、匡亭の戦いで張燕率いる黒山賊と共に袁術を助けましたが大敗し、曹操に帰順したといわれます。
◆裏話
第四弾にて、旧作の三国志大戦Ver.3.59以来の登場となったYockyさんの於夫羅。
元々ていねいな口調で辛辣なことを言うのが特徴的なキャラクターでしたが
今作では改めて
「慇懃無礼でSっ気がある」という性格設定を明記しました。
それだけでなく、今回の色紙からは
匈奴の王子としての気高さも感じられますね。
旧作のイラストは、倒れている兵士の視点から於夫羅を見上げているような、印象的な構図でしたが
今作では
「倒れている人間に剣を突き立て、両手を広げて勝ち誇っている。」というシチュエーションで発注しました。
於夫羅自体、知名度はそこまで高くない武将なので、史実のシーンを再現することよりも
旧作のイメージを最大限活かすシチュエーションになることを優先して設定しました。
ボイス面でも、旧作での落城勝利セリフ
「フフ、死か従属か選ぶ権利をあげましょう」に対して
今作の落城勝利セリフは
「残念ですが、貴方が選べるのは死だけです」としました。
これはシーン上の時間が旧作から進んだことの表現です。
おそらく兵士は従属を選んだものの、於夫羅に断られてしまったのでしょう。
ちなみに、より旧作に寄せた
「選びなさい。従属か、それとも死か」というセリフも収録していましたが……
イラスト的に、もう選ぶ段階ではないと判断して予備に回しました。ごめんよ兵士くん。
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それではまた次回、お会いいたしましょう!
於夫羅
「私は孤独など恐れません。ゆえに貴方と会えずとも仔細ありません。
……ですが、貴方が子犬のように鳴くのなら仕方がありませんね。
再び従属することを許して差し上げましょう」