本日もミニ色紙を元にした小話と、そちらに登場する武将たちの裏話を公開いたします!
第十三回となる今回、ご紹介する色紙はこちら!
【孔明談義】
――次の戦、孔明はどんな手を使うと見る?
我が問いに、徐庶は眉一つ動かさず口を開く。
「天を飛ぶ竜の考えを、どうして人が知れようか」
徐庶は母を人質に取られ、魏に仕えた。それゆえ策は献じぬという噂もある。
眠たげに細めた瞼の奥には、義侠の炎がまだ燃えているのだろうか。
――ならば話を変えよう。これまでの孔明の戦ぶりを聞かせてもらいたい。
「……私の知る範囲で良ければ。初めに語るべきは赤壁だろう」
変わらぬ仏頂面だが、その顔は昔馴染みの活躍に心躍っているようにも見えた。
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この色紙に登場する武将たちは、こちらです!
まずは一人目、司馬懿!
◆武将紹介
司馬懿は魏に仕え、曹丕・曹叡に重用された将です。
五丈原では諸葛亮が病死するまで北伐を阻み抜きましたが、蜀軍侮りがたしと見て追撃せず撤退。
これがもとで「死せる孔明生ける仲達を走らす」という言葉が生まれました。
そののち曹叡の遺言に従い、曹爽と共に幼帝を補佐しましたが、専横を目論む曹爽一派の策略で名誉職に追いやられ、実権から遠ざけられてしまいました。
司馬懿は高齢と病気で衰弱したように見せかけ、曹爽一派の油断を誘ったところでクーデターを決行します。
政敵を排除して魏での権威を確立し、のちの晋王朝の基礎を築きました。
◆裏話
いきなり真面目なお話ですが、旧作で登場した武将を新たに出すというのは非常に難しいことです。
「こんなの俺の好きな●●じゃない!」と言われたら、その時点で試みは失敗に終わってしまいます。
過去の資料を参照したり、プレイヤーの皆さんが描いているイメージを読み取ったり……
そのうえでボイスを追加するためにも、より深化した性格設定を加えています。
「シバトラマン」と呼ばれるなど、旧作で多くのプレイヤーに愛された司馬懿ですが、
今作のイラストは「死せる孔明生ける仲達を走らす」のシーンを描かれています。
司馬懿の視線の先にある諸葛亮の木像をイラスト上部に配置するという、一徳さんの技巧に思わず唸ってしまいます。
実は発注書では
「老獪さを窺わせる表情・シチュエーションだが、個性的なポーズを取っている。」という無茶ぶりをしていました。
イラストのポーズも、見ようによっては野球の審判が「セーフ」と宣言しているポーズにも見えますね。
ちなみに性格は
「老獪で慎重。自分の智謀に絶対の自信がある」といった設定になっています。
計略セリフ
「我が智の前には赤子に等しい……!」は旧作の計略セリフとまったく同じテキストです。
「覇業への道2019 英傑覚醒」全国決勝大会の最後、Ver.2.5のお披露目動画で司馬懿が出た瞬間の大きな歓声を思い出すと、
このセリフにして正解だったのではないかと思います。
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続いて二人目、徐庶!
◆武将紹介
徐庶は司馬徽の門下生で、諸葛亮、龐統の学友です。
劉備に軍師として迎えられると、諸葛亮を推薦し、二人を引き合わせました。
博望坡の戦いでは、数で優る曹操軍をものともせず撃破。
続いて来襲した曹仁と李典も、曹仁が敷いた八門金鎖の陣形を攻略して退けます。
しかし程昱の策によって母を人質に取られ、やむなく曹操に降伏しますが、劉備への恩義から、決して曹操に献策することはなかったといいます。
◆裏話
第四弾の徐庶は、旧作の三国志大戦Ver1.1以来となる魏所属の徐庶です。
この徐庶は三国志大戦3で蜀所属の軍師カードとして登場しましたが、その時は仮面をつけていない姿でした。
ですが「一徳さんの魏の徐庶」といえば、やはり仮面。なので今作では、より仮面を活かす方向でイメージを作成しました。
ちなみに髪型は
横山光輝先生の「三国志」の徐庶リスペクトとのことです。
発注書では
「仮面をかぶろうとしていて、緑の目が仮面で隠れている。」というシチュエーションでした。
魏に降った直後というイメージで、赤と緑の瞳を、魏と蜀に見立てての発注でしたが、
一徳さんにはさらに仮面にも徐庶の心情を反映させるというご提案をいただきました。
仮面の右側には、心ならずも降ることになってしまった
魏への怒りが、
仮面の左側には、
蜀に対する未練を表す涙が、それぞれの勢力カラーで描かれていますね。
(一部の例外はあるものの)基本的には武将ごとに「武官」「文官」を仕分けていますが
蜀の徐庶は武官、
魏の徐庶は文官と明確に定めていました。
義侠の心を持つ彼は、曹操のために策を献じることもなければ、剣を振るうこともないのでしょう。
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今回はここまで! また次回、お会いいたしましょう!
司馬懿
「智を尽くせど、この状況を打開する策は浮かばぬな……」
徐庶
「答えなき問いにばかり目を向けても、気が滅入るばかり。
その智は、この先に待つ好敵手との戦いのために使ってはどうだ」
司馬懿
「ふむ……確かに、そのほうが建設的だ。
病魔との戦いは続くだろうが、最後に勝つのは我らだからな」