本日もミニ色紙を元にした小話と、そちらに登場する武将たちの裏話を公開いたします!
第十回となる今回、ご紹介する色紙はこちら!
【大徳の誘い】
「どうしたんだ? こんなとこで一人きりで、暗い顔して」
――賊に村を燃やされて、行くあてもなくて……
「それで一人、か……辛い思いをしたんだな」
「けどさ、こんなにも乱れた世なんだ。生きてるだけでも勝ちってもんだよ」
「生きていたら、もう一度歩き出せる。誰かと一緒の旅路なら、辛い気持ちも分かち合える」
――あなたは、いったい……?
「オレは劉備。お前と同じ、中華に生きる一人の民だ」
「辛い気持ちも、叶えたい願いも背負ってやる! オレと一緒に来い!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この色紙に登場する武将は、こちらです!
◆武将紹介
劉備は前漢の中山靖王・劉勝の末裔と伝えられる人物です。
貧しいむしろ売りでしたが、黄巾の乱で関羽・張飛と共に義勇軍を結成して参陣。
次いで反董卓連合に加わり名を揚げるも、なかなか勢力基盤を築けず、各地を転々としながら雌伏の時を過ごしました。
しかし天性の仁徳によって英傑や民衆に広く慕われ、
諸葛亮を軍師に迎えた後は、名将を多く抜擢し、荊州・益州一帯に勢力を築いて漢中王となりました。
『三国志演義』では桃園の誓いを結んだ関羽・張飛の武勇に隠れていますが、史実では優れた指揮官として知られていました。
◆裏話
史実と三国志演義で、大きくキャラクター性が異なる劉備。
どの作品に最初に触れたか、どれくらい史実を知っているかなどで、人それぞれ異なる劉備像を抱いていると思いますが
第一弾では史実寄りな
「義勇軍の大将から皇帝に上り詰めた英雄。」というコンセプトで
「聖人君子というより、自由でフットワークが軽くて明るいアンちゃん」として発注しました。
曹操が先頭に立って導いてくれる人物だとすれば、劉備は同じ目線に立って手を差し伸べてくれる人物というイメージです。
また自分の力量についても正しく認識しているイメージで、
「オレは、人を見る目だけは確かなんだぜ!」というボイスや
「勝てる相手には勝つ! 負ける相手からは逃げる!」という伏兵ボイスも収録していました。
風の噂では、攻城ボイス
「この城、オレにくれるのか?」がサイコパスじみて聞こえる方もいるとのことですが
担当者の脳内では
『劉備の人徳を慕って、城内の民衆が迎え入れようとしている状況』という設定らしいです。
さらにセリフの話が続きますが……第五弾の劉備は、どのように天下に挑むか彼のビジョンが定まってきた雰囲気を出しています。
第一弾の開戦
「さあて、中華をオレの手で救ってみせようかあ!」よりも
第五弾の開戦
「オレの徳とみんなの力を、絆でまとめて天下を獲る!」のほうが、天下への道筋が見えているイメージ。
第一弾の撤退
「また流浪の日々かよ……」よりも
第五弾の撤退
「オレは死ねないんだ……!」のほうが、一勢力の君主として責任感を強く持っているイメージになります。
二つの劉備のセリフの違いにもご注目いただけますと嬉しいです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それではまた次回、お会いいたしましょう!
劉備
「お前と離れ離れってのは、こんなにも辛いんだな……。
でも、お互いに生きてりゃ、きっと絆がオレたちを繋いでくれる。
今は生きるために逃げ延びて、またオレの器に帰って来いよな!」