本日もミニ色紙を元にした小話と、そちらに登場する武将たちの裏話を公開いたします!
第八回となる今回、ご紹介する色紙はこちら!
【月下美人】
……お香を焚いた部屋で、髪に櫛を入れる。
もうしばらくしたら、お肌からもいい匂いがするようになるはず。
あの人は褒めてくれるかな。
かわいいって、言ってくれるかな。
お気に入りの髪飾りをつけて、勇気をもらって。
深呼吸して、どきどきする鼓動を落ち着けて。
「……あ、綺麗な月……」
あの人が玉座から戻ってくるのを待っていよう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この色紙に登場する武将は、こちらです!
◆武将紹介
董貴人は董承の娘で、献帝の側室です。
史料によっては「董貴妃」と呼ばれることもあります。
長安から逃亡する献帝に付き従い、曹操に実権を掌握され苦しい境遇を強いられながらも、夫に寄り添い慰めました。
しかし父の曹操暗殺計画が露見、首謀者とその一族七百人余りが罪に問われました。
献帝は曹操に彼女の助命を願いますが、許されず父に連座して処刑されてしまいました。
この時、董貴人は妊娠五ヶ月だったといいます。
◆裏話
董貴人は控えめで一途な少女にする狙いで
「目が大きく薄眉毛の美少女」として発注しました。
同じく献帝の妻である伏寿も、似たエピソードの持ち主なのですが
キャラクターとしては
伏寿が活発で行動的、
董貴人が献身的で落ち着きがある、と差別化しています。
その性格の表現のため、董貴人のセリフは「……」を多めに入れています。
アーケード版のイラストでは、背景の幻想的な月がとても印象的ですが
ぽけっと版のイラストでも、カード枠で見切れているものの、満月が董貴人を照らしています。
ちなみにぽけっと版は「膝枕に誘っている」シチュエーションです。献帝がうらやましいですね。
董貴人が髪に挿しているのはアネモネの花です。
アネモネ全般の花言葉は
「はかない恋」、赤いアネモネの花言葉は
「君を愛す」であり、
献帝を愛し、そして散った彼女にふさわしいと思い、発注書に盛り込みました。
紫のアネモネの花言葉
「あなたを信じて待つ」は、今回の色紙小話に盛り込ませていただきました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それではまた次回、お会いいたしましょう!
董貴人
「お部屋でおしゃれ……こんな日もいいわ。
でも……ずっと室内だと、息が詰まるかも……
すべてが終わったら……また月夜に、逢いましょう」