今日の武将＆色紙紹介その５【司馬昭/王元姫】

本日もミニ色紙を元にした小話と、そちらに登場する武将たちの裏話を公開いたします！

第五回となる今回、ご紹介する色紙はこちら！




【秩序の王と慈愛の瞳】

俺が竹簡に目を通す隣で、元姫が花輪を作っている。
時折こちらを見上げては、目が合うと「ふふっ」と花が綻ぶように微笑む。
本当は知っている。
誰よりも聡く、利口な彼女が無邪気に振る舞うわけを。
心を明かさず、慎重を心がけ、影として生きる俺が、孤独にならないように……
慈愛の瞳で強張った心を見透かして、柔らかくほぐすためだ。
あるいは、この想いも悟られているのだろうか。
……それも悪くはない。

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この色紙に登場する武将たちは、こちらです！
まずは一人目、司馬昭！


◆武将紹介
司馬昭は司馬懿の二男で、司馬師の弟、司馬炎・司馬攸の父です。
父兄と共に策謀を巡らせて実権を掌握し、兄から家督を受け継ぐと、諸葛誕の乱や皇帝・曹髦の挙兵を鎮圧しました。
やがて鍾会・鄧艾に蜀への侵攻を命じて劉禅を降伏させ、晋王となりました。
しばしば魏を簒奪した野心家とされますが、過酷で煩雑な政治や時勢にそぐわない法律を撤廃して
仁政を行い、賞罰を巧みに使い分け、人望を集めていました。

◆裏話
司馬昭のコンセプトは「兄の影に徹するも、後を継いでからは着実に天下統一まで迫った将軍。」でした。
そのため萩谷薫さんには、黒葉.Kさんの司馬師のイラストをお渡ししてデザインイメージを膨らませていただきました。
アーケード版のイラストでは、家の門を挟んで背中合わせになるイメージで、
堂々と兵を率いる兄と、それを支える策を巡らせる弟といった構図になっています。
所持しているアイテムにも特徴があり、
司馬懿の跡を継いだ司馬師は黒羽扇を受け継いでいるのに対し、二人の懐刀である司馬昭は剣のみを持っています。

非常に慎重な性格で「心を許しているのはごく一部の人物のみ」としています。
具体的には、家族や、親友・陳泰くらいですね。一番の腹心・賈充ですら完全には心を許していないイメージです。

一人称は「俺」なのですが、戦闘中のボイスのほとんどでは「私」を使っています。
これは「瞬時に私情を捨てることができる」という性格設定によるもので、
戦闘中は私情を見せないように「私」で通している、という設定です。
シナリオ上では、司馬師が急逝した後から、公の場では「私」を使うようになります。
司馬昭の内面についての詳細は、義勇ロード晋伝をプレイしてお確かめください！

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続いて二人目、王元姫のご紹介！


◆武将紹介
王元姫は司馬昭の妻で司馬炎・司馬攸の母、王粛の娘です。
幼くして聡明で道徳心に優れ、非常に親孝行だったため、祖父の王朗から「男に生まれていれば」と惜しまれました。
成人して間もなく司馬昭に嫁ぎ、后に立てられた後も変わらず謙虚に家事を取り仕切りました。
また、鍾会の野心を見抜いて忠告するなど慧眼の持ち主であり、その明晰さと慈愛で夫を支えました。

◆裏話
キャライメージを作成していた頃、すでに他社の三国志ゲームで王元姫が人気を博していましたが、
その後追いのキャラ付けをしては面白くないし、本作の司馬昭との相性も良くない……
ということで、「もうとにかく晋のヒロインとして可愛くしよう！」というのがコンセプトでした。
発注書でも「まさしく「美少女」といった見た目。（アイドルならセンターを飾りそうなイメージ）」と、くどく念押ししています。

特徴的な雪の結晶のアクセサリーは、はるか昔に王元姫の一族（王朗、王粛など）の共通モチーフに考案していた名残です。
「おじさんに雪の結晶はちょっと……」という意見により、共通モチーフからは消滅しました。
代わりに王朗の名前ネタから、オウル＝フクロウを全員に盛り込んでいます。
また王朗を意識して「ほほー、見込み通りだね」という伏兵ボイスを収録していますが、使う機会は……？

王元姫の性格は「頭が良く、先見の明がある。⇒慎重な夫を明るく後押しする」という設定です。
色紙小話でも司馬昭が触れている通り、決して頭の良さをひけらかしませんが、
彼の心が沈む前にすくい上げ、彼の足が止まる前に背を押すイメージです。
司馬昭もそれを理解しているからこそ、自分の代わりに笑ってくれる彼女との一時に癒されたことでしょう。

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回数を重ねるごとに裏話が長くなっている気がしますね……。
今回はここまでです！　また次回、お会いいたしましょう！

王元姫
「ちょっと運動に、って散歩に来たけど……誰もいないね」
司馬昭
「ああ、あまりにも静かだ。
　元の賑わいを取り戻すためには、何をすれば……」
王元姫
「こんな時に悩んでたら、もっと暗くなっちゃうよ。
　君主のみんなも子上くんも、今はちょっとお休みする時なんだよ」
司馬昭
「そうだな……いま逸っても仕方がない。
　皆も慎重に動け。一度失っては取り戻せないものもあるからな」