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史実解説ー袁譚についてー

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燈蝋之斧
燈蝋之斧
こんばんは! 燈蝋之斧です!

最近外出あんま出来ないせいか、蕎麦や牛丼、寿司が恋しい私です。具体的には、ねぎと紅生姜とガリが恋しい。え? それ全部、薬味だろって? そうですよ! 私はねぎ食べに蕎麦屋行くし、紅生姜食べに牛丼屋行くし、ガリ食べに寿司屋行くし、らっきょう食べにカレー屋行くんですよ!(変人)

あまりにも薬味が恋しいので、明日はオリジナルで薬味丼でも作ろうかと思います。私、料理は人一倍得意だけど発想がマッドなところあるので、たまにやらかします。まあ、張春華さんファンなんて多少変でなきゃ勤まりません(暴言)

と、よくわからん事吐き出しつつ、本題に入ります。要はいつも通りですね、ハイ。

今日は、袁家の中でも、私が一番好きな袁譚について史実解説してみます。私的に甘やかしたい武将No.1。あと、守ってあげたい武将No.1。張春華さんは甘やかすとか、守るとかそういう対象じゃないので圏外です(真顔)

あ、別に私の頭が変になったとか、柱の男の袁家教育を受けたとか、紅生姜とガリ食べ過ぎて変になったとかではないです。元から頭は変なのは否定しませんが!

というのもこの袁譚、史実においては常識人なのに、なんか扱いが皆から雑なのが可哀想なんですよ。意外と有能だし、性格も悪くないのに報われない。そういう薄幸なお兄ちゃんキャラが私好きでしてね。柱の男は報われない爺いキャラが好きだし、ウチのチーム報われない人好き過ぎるかも。

ま、そこらは追々語るとして始めます!


・袁譚(生没年:???〜205年 字名:顕思)
言わずと知れた袁紹の長子。青州刺史。ちなみに正史においては、母はまさかの劉氏。つまり、袁尚とは実の兄弟。これは劉表が袁譚に宛てた手紙で、袁譚と袁尚の争いを故事の同母兄弟の争いに例え諌めた文から読み取れます。ちなみに次男袁煕は直接的な記述は見当たらないものの、甄夫人が劉氏の近くにいた事から、母は劉氏っぽいです。よくよく考えたら、劉氏は息子3人争って死んでるんだな……。

それと真偽不明ですが、袁譚の弟には袁買という者もいたそうです。ただ、この袁買は袁譚か袁煕の子という説もありイマイチわからず。もしかしたら、袁家4兄弟だった可能性もあるそうです。

なお、袁譚については伯父の袁基に養子に出されており、これが袁兄弟の仲を複雑にしています。一応これは、袁一族の正当後継にするため袁紹が養子に出した(袁紹自身は分家筋のため)とも取れるので、鼻っから冷遇されてた訳ではないみたいです。まあ、最終的にはそれが仇になってるけど。

袁譚の性格は、正史内典論において寛大と評されています。実際の事績においても、袁尚が袁紹死後勝手に後継を名乗って大将軍を受け継いだ際、袁譚はキレながらもその下の車騎将軍を自称し、一応は協調しています。怒りながらも現実的妥協する辺り、寛大です。あと、崔琰を招聘失敗した時も彼は諦めるだけでした。他方、袁尚はキレて崔琰を収監しています。あと、茂才に推薦してくれた劉備が徐州から逃げて来た際は、態々城外に出て父共々出迎える等、礼儀もしっかりしてた。器量面については、袁尚より上だと思います。個人的武勇やイケメン具合では負けますが。

ちなみに能力面については、公孫瓚の任じた青州刺史田楷と正式な青州刺史の孔融を打ち倒し、青州を奪う等軍事的才能は有しておりました。曹操相手にも袁尚と共同して一回、彼単独で一回と勝ち星を挙げています。決して無能という訳ではありません。蜂蜜大好きプーさんと一緒にしてはいけませんよ!

官渡決戦の際は兄弟で唯一参戦している等、軍事面では父の袁紹にも頼られていたみたいです。鳥巣の焼き討ち時には、張郃と同じく鳥巣救援を優先するよう進言する等、手堅い判断でした。まあ、結局負けて父と二人逃げ延びたのですが。

と、史書にある袁譚は無難・堅実な印象が強めです。袁紹の手堅いけどつまらない部分を遺伝した感じ。他方、袁尚は袁紹の魅力的で華やかなだけど、やらかすネタ部分を受け継いだ印象。足して二で割ればいいのに。あ、それだと小粒な袁紹になるだけか。

ちなみに袁尚との仲違いについては、下記の流れ↓


・袁譚が青州に戻っている際、袁紹死亡。袁尚が勝手に後継を名乗る。あと、審配が遺詔偽造したっぽい

・袁譚、鄴に着き袁尚に反発。黎陽に駐屯し車騎将軍を名乗る。

・曹操が黎陽攻め。袁譚、袁尚に援軍依頼も断られる。袁譚キレて袁尚から付けられた逢紀殺害。結局、袁尚自ら援軍に来る事になる。

・5ヶ月に及ぶ戦闘の後、袁兄弟は黎陽放棄。曹操、勢いに乗り鄴まで攻めるも袁兄弟の逆襲で敗北し許都まで逃げる。

・袁譚、袁尚の援軍が遅かった事なじりつつ、曹操追撃を提案。袁尚これを無視し、袁譚への補給を打ち切る。

・袁譚、郭図の提案により鄴の城門攻撃するも袁尚に敗北する。ここで完全に兄弟決裂となる。

・袁尚に圧迫されジリ貧の袁譚、郭図の進言によりまさかの曹操と同盟。娘を曹操の息子に嫁がせる。もう完全に引き返せなくなる。



とまあ、こんな感じ。その後は、曹操の力を借りて袁尚勢を急激に取り込むも、曹操から同盟違反があったとされ、娘返送の上、同盟打ち切り。一度は勝つも、最終的には敗走の上落馬。曹純に情けない命乞いもその場で斬首。一族も皆殺しのバッドエンドに。一応、忠臣の王修が死を覚悟で泣きながら弔ってくれたので、お墓は立ちました。

うん……普通に可哀想。報われない感じが実に好み。

まあ、アレよ。袁譚の立場で考えてみてよ。父母からあまり愛されずに、弟ばかり可愛がられて自分は遠方の青州送り。弟は勝手な事ばかりで、勝手に後継自称。幹部連中も何故か弟の味方ばかり。我慢しながら合わせるも、曹操来ても援軍渋るし、補給も打ち切ってくる。頼れる臣下は、出たら負け軍師の郭図だけで、コイツが袁尚攻めろと言う。なら、やるしかないよね?

選択肢が詰んでる状況。

曹操と同盟した件も、事ここに至っては他に取り得る手段もなかったとも言えます。もうね、状況が詰んでるのよ。1582年の武田家レベルで詰んでる。曹操暗殺するくらいしか方法なさそうなのよ。

ただ、袁譚も袁尚と敵対した事は本意ではなかったのか、審配が郭図が貴方を誤らせた(お前が言うな)と手紙を袁譚に送った際は、袁譚はしょんぼりしながら城壁に上り城外を見ながら泣いてしまったそうです。普通に可哀想。てか、素直可愛い。抱きしめて、大丈夫だよと言ってあげたい(庇護欲の目覚め)

だから、私は凄く袁譚に同情します。袁譚に新カード出たら漢に転向検討する位には。張春華さんも袁譚に庇護欲感じる位は許してくれるやろ。

あ、でも袁譚に悪い所が無い訳ではありません。王修を使いこなせなかったり、姦臣の言に耳を傾けたり、青州を上手く統治出来なかったのは明確に短所と言えるでしょう。どんな理由があるとしても、宿敵曹操と同盟結んだのはやってはいけない事だったとは思います。

だからまあ、私は若干袁譚に肩入れし過ぎてるとは思いますね。袁尚派の方にはスミマセン。

しかしまあ、袁譚にここまで感情移入するのも冷静に考えておかしいですね。一体何が私をここまで揺り動かすのか。張春華さん相手でもこんなに感情移入しないぞ。前々前世が王修かなんかなのか?

久々に熱弁を振るいましたが、以上で解説終了。変に力入りましたね笑

では、失礼!
更新日時:2020/04/11 00:34
(作成日時:2020/04/11 00:24)
コメント( 7 )
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Zero
Zero
2020年4月11日 15時22分

非常に分かりやすく面白かったです!
「1582年の武田家レベルで詰んでる」を聞いて漫画『レイリ』を思いました。

燈蝋之斧
燈蝋之斧
2020年4月12日 17時52分

>>劉禅の夏休みさん
人格に問題ない公正無私タイプが袁家配下にいませんでしたからねぇ……。
10年くらいで4州も手にした訳で、仲良くは出来なかったでしょうね。本来は頼りにすべき親族集が脆弱なのもマズかったと思います。袁紹の所も劉表や孫権所と同じで、豪族の寄り合いでしたからねぇ……。潁川グループで中核を上手くまとめた曹操、自身のファンで固めた劉備が特例な気します。
>>ワムウ
袁譚は共感出来るからね。思わず袁譚の為に泣き申した。心の中の王修が叫びたがっているんだ。
>>金村保坂非道さん
皇帝陛下は戦ではあまり褒められぬ故、御免。外交や陰謀とかは評価出来る所あるんですがね。

燈蝋之斧
燈蝋之斧
2020年4月12日 18時0分

>>おかか容疑者さん
三国志大戦では、父よりおじさんな顔してますね袁譚。イメージ的には合いますが。
袁煕はなんかあんまり袁紹らしい感じないですね。強いて言えば、弟を切り捨てられずに流される優柔不断な所が遺伝したのかな、と。人的にはマトモそうですが。
>>Zeroさん
それは良かったです!
調べてみたら、中々面白そうですね。長篠以降の武田とはまたニッチな所を……。時間あれば読みたいですね。

Zero
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